12日、FNNの取材班は、タイ軍が企画したメディアツアーに参加し、タイ・カンボジア国境の特殊詐欺拠点を取材した。施設では、中国人ら約1万人が活動していたとされ、日本語マニュアルや個人情報が多数見つかった。さらに警察施設や銀行に似せた部屋も設置されていた。
“特殊詐欺グループの拠点”を取材
警察署や銀行そっくりに作られた部屋や、日本人を狙ったとみられる詐欺マニュアル。
ここは特殊詐欺グループの拠点とみられる施設の内部だ。

FNNの取材班は12日、タイ軍が企画したメディアツアーに参加。
案内されたのは、タイとカンボジアの国境地帯にある複数の特殊詐欺拠点。

このエリアはもともとカンボジア軍の支配下にあったが、2025年に起きたタイとカンボジアの軍事衝突の際、タイ側が空爆や砲撃などを行って掌握。現在も実効支配を続けている。

詐欺拠点となっていた建物はタイ軍の攻撃で大破し、床にはガラスやがれきが散乱している。

かけ子たちの作業場とみられる部屋では、キーボードなどが散乱。

また、かけ子たちが直前まで住んでいたとみられる居住スペースもあり、大量のインスタントラーメンの箱も残されていた。
タイ軍によると、これらの拠点で中国人やインドネシア人など約1万人が特殊詐欺などを行っていたということだ。

そのため、施設の中には厨房のような場所もあり、多くのテーブルや椅子が置かれた食堂とみられる場所も確認され、多くの飲み物が保管されていた。
かなり大規模だったことがうかがえる。
7カ国の“警察施設”似せたスタジオセット
そして拠点内でひときわ目立っていたのが、中国やブラジルの他、インドネシアなど7カ国の警察施設を似せて作られた部屋で、残された制服や備品は偽物だ。

こうした場所で詐欺電話をかけていたのだろうか。

さらにビデオ通話などの際に、ターゲットを信じ込ませるために作られたとみられるスタジオセットは、ベトナムの銀行に似せて作られたという。

日本人の名前や住所、銀行口座の残高などが書かれた個人情報のメモや、日本語で書かれた詐欺マニュアルなども大量にあり、日本人も狙われていたとみられる証拠が見つかった。

一方で、この拠点に日本人がいたかどうかは分かっていない。

タイとカンボジアの国境地帯では新たな詐欺拠点も見つかっていて、タイ空軍のソーンジャイディー大将は「特殊詐欺拠点は世界的な脅威です。根絶に向け、関係国が連携して対策を行う必要があります」と話す。

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
タイ、カンボジアの国境地帯は、結構中央政府の影響力・支配力がなかなか及びにくいところがあります。一種、無法地帯のような感じがあって、いろいろな物事が金次第で動くことがあるので、そういうものが拠点になる背景にはあるのだと思います。

警察庁によると、2025年1年間で特殊詐欺の被害総額は約1414億円で、偽警察詐欺による被害額はそのうちの約7割で985億円だった。
世代別に見てみると、被害額が多かったのが60代・70代。
ただ、認知件数、つまり警察が把握している数は意外にも20代・30代が多かったということで、若い人にも注意が必要だ。

青井実キャスター:
改めてですが、警察はSNSで連絡することはありません。
警察手帳や逮捕状の画像を送ることはありません。
捜査名目で金銭を要求しません。
この辺りをしっかりと確認して注意していただきたいと思います。
(「イット!」3月13日放送より)
