今、学校現場では、ある熱中症対策で議論が巻き起こっている。
学校現場での熱中症を防ぐために大事な「水分補給」。そのために学校に自動販売機を置くという動きもあるのだが…滋賀県では議論となっている。
記者リポート:
滋賀県守山市のこちらの中学校では5月、自販機が設置されたんですが、一度も使われることなく撤去されてしまいました

災害が起きた際は中学校が避難所になるため、飲料メーカーとは無料で利用できる取り決めも結ぶ予定だったが、稼働する前に撤去する事態に。
一体何があったのだろうか?
守山市教育委員会:
保護者の方からは、中学校の方にはまだ必要ではないのではないか、という意見。金銭の貸し借りや紛失も含めて課題もあるのかなというご意見でした

金銭トラブルを懸念する2~3人の保護者から反対の意見が出たというのだ。
街の人は…
守山市民:
これから時代が違うんやから(置いて)ええんちゃうの。どんな金銭トラブルか分からないけど、あるなら議論して、それをないようにすればいいんでしょ
高校生:
(置いたら)いいと思います。最近の中学生はしっかりしているから、そんな(人に)買わせるとかあんまりないと思います

守山市教育委員会は今後、生徒会で使用のルールを検討しながら、丁寧に保護者に説明して設置を目指すとしている。
こういった事態に対し、教育の専門家は「自動販売機はあったほうが良い」と述べた上で…
名古屋大学大学院 内田良 教授:
子供に何か自由を与えるとトラブルが起きるに違いないといった不安感を、大人の方が非常に持っていて、そして子供には何も与えないということになりがちなんですね。自販機は一体何のために設けるのか、そしてどういうトラブルが起こり得るのか一つ一つ説明していく中で導入していけば、もう少しここまで(撤去という)極端な振れ方にはならなかったのかなと思います

専門家も推奨する学校への自動販売機設置。
導入には、まだ議論が必要なようだ。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年6月24日放送)