ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、16歳のバレリーナが翻弄されている。
ロシアにある世界三大バレエ学校の1つに入学したばかりで侵攻が始まり、やむを得ず帰国をした中、今何を思うのか。

ロシア留学を中断「こんな近くで戦争が起きるなんて…」

三重県出身の、16歳のバレリーナ・清水理央さん。

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清水理央さん:
クラスの動画を先生が送ってくれて、それで練習しています

2022年3月にバレエの留学先・ロシアから帰国して以来、1人で地元・四日市市のバレエ教室を貸し切って、週6回自主練習している。

清水理央さん:
自分のできてないところとか、日本でちゃんとレッスンして直してきてねって(ロシアの先生に)言われました。早く戻ってきてねって言われて…。この一番分厚い本が、私が一番好きなバレエダンサーの本で、一回だけ会ったことがあって、サインもらって

姉の影響で4歳からバレエを始めた理央さん。

ロシアのバレエ団の公演を鑑賞して憧れを抱き、バレエ留学のためロシアへと渡ったのは中学2年生の時。

2021年8月、世界三大バレエ学校の一つ、サンクトペテルブルクの名門バレエ学校「国立ワガノワ・バレエ・アカデミー」の入学試験に合格した。世界で年間数十人しか入学できない狭き門だ。

清水理央さん:
私では世界最高峰のバレエ学校は無理なんじゃないかって。ロシアの他の学校で2年間また勉強して、それがやっと先生にも認めてもらえて

前へと進み始めた夢への道。
しかし、憧れの名門でレッスンを始めて半年余りで、歩んでいた道は閉ざされた。ロシアのウクライナへの軍事侵攻だ。

清水理央さん:
ワガノワ・バレエ・アカデミーの中にウクライナ人の先生もいて、その先生は「自分も戦わないといけない。ウクライナに僕は戻る」と言って、学校を辞めていった

日本政府は3月、ロシア全域の危険情報を渡航中止勧告に引き上げた。

清水理央さん:
国境がしまってしまう。そうしたら2~3年ロシアから出られないという噂がちょっと流れて。こんな近くで戦争が起きるなんて思っていなかったし、嘘じゃないかと思いました。みんな(他の留学生も)やっぱ帰りたくないって、ずっと言っていて、最後は帰る前は先生たちと泣いてお別れして

別の学校に留学していた2年前にも、新型コロナの影響でやむを得ず、半年間の帰国をしていたばかりだった。

清水理央さん:
ワガノワ・バレエ・アカデミーに戻ること、戻れるという希望を持って頑張っています。とにかく戦争が終わって、平和になってほしいというのが一番ですね

日が暮れるころ、スタジオには再びレッスンに励む理央さんの姿があった。

気持ちを切り替えるまでには時間が必要だった。再びロシアに戻り夢を叶えるため、今は地元でやるべきことを…。
8月には、幼かったころ経験を積んだ地元の発表会に5年ぶりに出演する予定だ。

清水理央さん:
とにかくワガノワに戻れた時にレベルが落ちていないように、レベル維持を目標に練習しています。ロシアのバレエ団でバレリーナとして踊れるのが一番の夢です

(東海テレビ)

東海テレビ
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