新型コロナウイルスの感染拡大が続き、より厳しさを増す医療の現場。福島県内の10万人あたりの医師の数は204人で、全国41位。全国平均の246人を、大きく下回っている状況だ。平均年齢も高く、福島で医師となる若手の育成が急務だ。

そんな中、いわき市では、地域医療を支えようと新たな一歩を踏み出した研修医がいる。

若手の育成急務…“医師不足”いわき市に新人研修医

2018年のデータで人口10万人あたりの医師数は、全国で246.7人に対し、福島県は204.9人。いわき市はそれをさら大きく下回る、167.1人だ。

いわき市・内田広之 市長:
医療の課題色々ございます。医師不足や健康指標について、いわき市は非常に課題

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医師会などと協定を結び、地域の中高生を対象に医療機関と交流会を行うなど、将来を見据えた対策も強化している。

そんな中、福島県立医大を卒業し、この春からいわき市の常磐病院で働く研修医がいる。

研修医・大森一徹さん:
この1カ月新しいことばっかりで、すごく毎日勉強しなきゃという感じですけど、充実していてすごく楽しいです。やはり熱意や志っていうのが活きてくる職場だなと思ってます

医師不足を解消するため、研修医の受け入れと育成が課題となる中、常磐病院は大森さんを含め2人の研修医を受け入れた。病院長の新村浩明 医師は、「大きな病院よりは、マンツーマンに近い形で指導出来る。その辺を魅力と感じていただければいいかなと思って、頑張っているところ」と話す。

毎週行われる勉強会では、横浜市出身の澤野豊明 医師が、大森さんを指導する。東日本大震災を機に福島県南相馬市の病院で研修医として働き、被災地である福島県で医師になる決意を固めた。

大森さんを指導することになった澤野医師の研修医時代(上段・左から2人目)
大森さんを指導することになった澤野医師の研修医時代(上段・左から2人目)

澤野さんは「医師が不足する地域だからこそのやりがいもある」と感じている。

常磐病院・澤野豊明 医師:
やはり初期研修医が増えるっていうことは、1人あたりその人口あたりの医師数が増えることになりますし。研修医にとってウィンだし、私たちとか地域住民にとってもウィンだしというような状況が好転していけばいいなと思っています

大森さんも澤野さんと同じく、被災地である福島への強い思いがある。

研修医・大森一徹さん:
震災で医師の流失があるって聞いたので、ここで動けるようになったら、来年とかはきちんと戦力になるのかなと。都内の大きい大学病院とかでやるよりは働きがいがあるというか、すごく楽しいだろうな

初期研修医として、2年間はさまざまな診療科を経験する大森さん。地域を支え、患者から信頼される一人前の医師を目指す。

研修医・大森一徹さん:
スキルだけではなく、コミュニケーションも大事なのかなと思っています。プラス、主役は患者さんなので、患者さんから信頼してもらわないと。福島県で働くことによって、数字上(医師数を)1つ増やすだけではなくて、将来的に大きいことができればと考えています

(福島テレビ)