福井・おおい町に住む吉田さん一家。自宅で飼育しているのはミツバチだ。巣箱づくりからはちみつの採取まで、全て家族が協力して行っている。
最初は恐怖心もあったが、今ではかわいい“ペット”のような存在になったという。自然豊かな山間部で、養蜂を通して広がる家族と地域の絆を取材した。 

「やってみるとかわいさが出て…」養蜂に取り組む家族

福井・おおい町の名田庄地区で、養蜂に取り組むのは吉田勝昭さん(58)。吉田さんは会社員で、妻の輪佳奈さん(58)、中学3年生の長男・航大さん(14)と一緒にミツバチの世話をしている。

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養蜂を始めたのは3年前。町内で開かれたセミナーに参加したのがきっかけだった。

家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん:
そこまで強い思いで養蜂の研修会に参加したわけではないので、実際に目の前にハチが来ると「うっ…」と思ったが、やってみるとかわいさが出てきて

家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん
家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん

飼育しているのは、日本に古来から生息する「二ホンミツバチ」だ。ニホンミツバチはめったに人を刺さず、育てやすいという。

自宅周辺には手作りの巣箱が並ぶ。ミツバチは巣作りの際、巣の形を整えるため巣をかじり、そのクズが巣箱にたまる。害虫が発生することもあるため、毎週家族で巣箱の底を掃除する。

長男の航大さん:
最初は(手伝えと)言われればやるという感じ。今ではできなかったことが、できるようになるのが楽しい

長男の航大さん
長男の航大さん

家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん:
道具を作ったり、そういうのも楽しさの一つだし、試行錯誤しながらの部分があって、その作業を家族でできるのが良さ

現在は「分蜂」という、群れが2つに分かる時期を迎えている。巣の中で新しい女王バチが生まれるため、母親の女王バチは半分ほどの働きバチを連れて新たな場所に巣をつくる。

吉田さんのミツバチも5月上旬から分蜂を始めた。移動した群れは順調に定着し、2022年だけで巣箱が3つに増えた。今も働きバチが、毎日せっせとエサとなる花粉や蜜を運んでいる。

家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん:
花粉を後ろ足あたりに付けて帰ってくるところとか、蜜を探しに行ってきますという感じで毎朝元気に出て行くのがかわいい

「家族で協力できるのがいい」…地域との交流も

吉田さん一家は、夏と秋の毎年2回、はちみつを採取する。
自然豊かな名田庄の野山に咲く多様な花の蜜が集まることから、自家製はちみつを「百花蜜」と命名。量が少ないため、知人などに数量限定で販売している。サラッとしたクセのない味だと好評という。

自宅でも菓子作りや料理などに使い、自家製はちみつを堪能している。

妻の輪佳奈さん:
家でとれたはちみつを食べるって最高じゃないですか。巣箱作りから採蜜、分蜂と四季折々に家族みんなで協力してできるのがすごくいい

妻の輪佳奈さん
妻の輪佳奈さん

取材の日、地元で養蜂を始めたいという人が吉田さんを訪ねてきた。養蜂を通じて、これまで以上に地域の人たちと交流するようになった。

家族で養蜂に取り組む吉田勝昭さん:
人のつながりが増えた。良いことだと思っている。興味がある人がいたら、教えてあげたりして裾野を広げたい

妻の輪佳奈さん:
平日は仕事だったり学校だったり、それぞれの時間を過ごしているので、週末養蜂は楽しみであり、ほっとできる時間。本当に養蜂のおかげ

(福井テレビ)