世界最高齢のコアラのひと休みする姿がかわいいと話題になっている。
兵庫県南あわじ市にある「淡路ファームパーク イングランドの丘」の公式Twitterアカウント(@englandhill_zoo)が投稿したのは、2022年2月1日に25歳となったメスのコアラのみどりちゃん。

ちょこんと座り、丸太のような“止まり木”にアゴを乗せている。「おやすみなさい@(・●・)@」との投稿コメントの通り、瞳もとろんとしていて眠そうな様子だ。
Twitterでも「みどりさんの優しい表情を見ているだけでおだやかな気持ちになれる」「リラックスされているご様子でとってもかわゆいのです」などと、みどりちゃんの日常の一コマに癒やされるコメントが寄せられていた。

イングランドの丘では、繁殖のために他園からきているコアラも含め、現在6頭を飼育しており、みどりちゃんはその中の1頭だ。みどりちゃんは2021年、「史上最高齢の飼育されたコアラ」そして「存命中の最高齢の飼育されたコアラ」の2つのギネス世界記録に認定され、現在も記録を更新している。
人間で例えると120歳以上
25歳で“世界最高齢”ということだが、長寿の秘訣は何かあるのだろうか? 普段の生活ぶりが知りたい。
気になることをイングランドの丘・飼育担当長の後藤敦さんに話を聞いてみた。
ーーそもそもコアラの平均寿命はどれくらい?
コアラの平均寿命は野生下で15年程と言われています。みどりの年齢(25歳)は人間で例えると120歳以上とさせていただいています。
ーーみどりちゃんの性格は?
マイペースでおっとりしています。

ーー普段はどのように過ごしているの?
一日20時間程は寝て過ごしていますが、これは他のコアラとさほど変わりません。たまに飼育員が地面に降ろしてトイレのお世話や運動の補助をしています。
いつもここにあごを置いている
ーー投稿画像に映っている“止まり木”はお気に入りの場所なの?
お気に入りの場所です。高さや太さが抱え込んであごを置くのにちょうどいいのだと思います。いつもここにあごを置いているので擦れないようにマットを敷いています。

ーー止まり木にアゴを乗せウトウトしている様子を見てどう思う?
安心してうとうとしている姿を見られることは、私たちにとっても幸せな時間です。
“年齢を感じさせない毛並み”と“若いコアラに負けない食欲”
ーーみどりちゃんと他のコアラの関係は?
コアラは基本的に単独行動をとる動物で、飼育下でも部屋を仕切って生活しているので、お互いをどれほど認識しているのかは正直よくわかりません。
ーー他のコアラと違う部分は何かある?
他のコアラに比べると動きは少なくなっています。毛並みは年齢を感じさせないほど艶もこしもあって良いです。食欲も若いコアラに負けないくらいあります。
ですが、自分の力だけでは日々生きていくための必要量を食べるのが大変なので、食が進まないときはハンドフィーディングといって口元にユーカリの葉を運んで食べやすくしてあげたりと、毎日飼育員が手伝っています。

ーー高齢だからこそ飼育員が気を付けていることはある?
万が一転落してもけがをしないよう止まり木を低く組んだり、床材をふかふかに厚めに敷いたりしています。餌のユーカリも日々の採食データからよく食べる種類を導き出して与えています。
ーーずばり長寿の秘訣を教えて。
みどり自身の生命力の強さ、日々の飼育員や獣医師の細やかなケア、常に新鮮なユーカリが供給できる環境などが考えられます。

人間でいうと120歳以上となるにもかかわらず、運動量の少なさくらいしか他のコアラとの違いはないというみどりちゃん。
これからも飼育員さんたちの細やかなケアのもと、健康で元気にギネス世界記録を更新していってほしい。
おやすみなさい@(・●・)@#コアラ #みどり pic.twitter.com/M02ngkFngU
— 淡路ファームパーク イングランドの丘【公式】 (@englandhill_zoo) May 26, 2022