牛乳の消費低迷や飼料の高騰で、長野県内の酪農家も苦境が続いている。
そうした中、「食べて支援を」と、JA女性部が牛乳を使ったレシピを考案、広く発信しようとしている。

牛乳生産者の悩み

三村牧場(長野県松本市)
三村牧場(長野県松本市)
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食生活に欠かせない牛乳や乳製品。
しかし、今は…
こちらは長野・松本市の三村牧場。約260頭の乳牛を飼育していて、毎日4トンの生乳を出荷している。

三村牧場・三村誠一社長:
これ、すべて輸入の牧乾草です

社長の三村誠一さん。この数カ月、二つの問題に頭を悩ませてきた。
一つが「飼料の高騰」だ。

三村牧場・三村誠一社長:
これで100円。(これまで)40円、50円くらいのものが、今、1kg100円。輸入粗飼料、それと輸入穀物、牛が食べる全てが値上がりしているという状態。ウクライナは穀倉地帯ですから、そこで収穫できない、出荷できないとなると、穀物相場がかなり狂ってくる

餌となる輸入の牧草や大豆、トウモロコシが折からの原油高に加え、ロシアのウクライナ侵攻で価格が高騰し経営を圧迫している。

二つ目の難題は「消費の低迷」。
コロナ禍による学校の休校や外食産業の低迷で需要が落ち込み、三村さんたちは消費拡大を訴えてきた。

しかし、牛乳や加工品は余り気味で推移。コストは上昇しているものの、生産者団体と乳業メーカーとの交渉で決まる「乳価」は据え置かれた。
夏場は消費が増える傾向にあるが、乳価が上がっていないこともあって苦しい状況が続く。

三村牧場・三村誠一社長:
乳価は変わらず、餌代だけが上がっていく…それは酪農家にとって、大変きついこと。かなりの農家がだんだん辞めていくと思います。愛知とかそういうところでは、もう20軒近く辞めているという情報も入っている

「牛乳を料理に使って!」

そこで状況を少しでも改善しようと、JA信州諏訪の女性部は…

JA信州諏訪 女性部・笠原長子部長:
たくさん牛乳飲んでもらいたいので、こういう料理をぜひ皆さんに作っていただきたい

牛乳を飲むだけでなく料理に使ってもらおうと、レシピを考案して発信しようとしている。
紹介するのは3品。最初は「鶏肉のトマトクリーム煮」。

一口大に切って塩コショウをふった鶏もも肉を、オリーブオイルで炒める。
色が変わったら鍋から一度取り出し、粗みじんに切ったニンニク、タマネギ、シメジを塩をふって炒める。
火が通ったら鶏肉を戻し、ホールトマト、コンソメスープの素、砂糖を加え、弱めの中火で煮込む。

15分ほどしたら牛乳を入れ…ゆでたブロッコリーも。
鶏肉のトマトクリーム煮が完成した。

続いては「きのこリゾット」。

シメジ、エノキ、シイタケを食べやすい大きさに切り、オリーブオイルとニンニクを入れた鍋に加えて炒める。

JA信州諏訪 女性部・藤森洋子副部長:
ちょっとしんなりしてきた感じ、油を吸ってしなっとするまで

火が通ったら、牛乳、ご飯を加える。
弱火で煮詰めたら塩コショウをし、ピザ用チーズを加える。
焦げないようにかき混ぜ、チーズが溶けるまで煮詰めたら完成だ。

最後は「フルーツスムージー」。

こちらは至って簡単。バナナ、冷凍ブルーベリー、ヨーグルト、牛乳をミキサーに入れてスイッチオン。

滑らかになったらコップに注いで完成だ。

冷凍フルーツを使うと、シャーベットのようなシャリっとした食感が楽しめる。

牛乳とヨーグルトを使ったごちそうを早速、試食。

JA信州諏訪 女性部・笠原長子部長:
(クリーム煮は)コクが出ているっていうか、まろやかになりますよね、牛乳入れると

JA信州諏訪 女性部・笠原洋子副部長:
リゾットの方は、キノコの風味がものすごくして、食べやすいですね

JA信州諏訪 女性部・藤森洋子副部長:
大変おいしかったです。実は私も牛乳を生でごくごくっていうことができない。私のように牛乳を飲めない人でも、お料理に使うといいですよね

JA信州諏訪女性部では、牛乳を使った「おすすめレシピ」をホームページや広報誌を通じて広く発信していく予定だ。

牛乳を使った「おすすめレシピ」3品
牛乳を使った「おすすめレシピ」3品

こうした取り組みに三村さんは…

三村牧場・三村誠一社長:
大変うれしいことだと思います。消費拡大に力を注いでいただきたいと思います

飲んで、食べて、酪農家を支援。
6月1日は国連食糧農業機関が定める「世界牛乳の日」。これに合わせ、日本では6月が「牛乳月間」となっている。

(長野放送)

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