愛媛でも、今また人気を集めている「レトロ」なものを取材。ある休日の松山市内、街中で何やら上の方を見上げながら歩く人たちがいる。

昭和の歴史が息づくレトロな街・愛媛

ガイド役・阿部真さん:
今もタイル壁のビルはあると思うんですけど、今タイルが貼ってあるパネルをばんばん貼っていくので、パネルの継ぎ目が見えるかなと思うんですけど…

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行われていたのは松山の古いビルを巡る、その名も「古ビル探訪ツアー」。2時間ほどかけて松山市内の20カ所以上のビルを巡った。

特に参加者の注目を集めたのが、松山市千舟町にある河野内科。国の重要文化財に指定されている八幡浜市の日土小学校を設計した、大洲市出身の建築家・松村正恒氏が手掛けた建物。

内木敦也アナウンサー:
こちらの建物、重厚感のある柱にガラスがふんだんに使われていたりと非常に趣を感じます

ガイド役・阿部真さん:
いろんな所が曲線が効いていたり、斜めに角度が効いていたり、ガラスブロックで「KONOCLINIC」って書いてあったりとか、ふんだんに遊びがあって面白いかなと思う建物です

ツアーの参加者:
胸いっぱいになりました、楽しくて

ツアーの参加者:
普段から古いビルが好きなんですけど、1人で見てたら不審者じゃないですか。これだけたくさんの人でわいわい見られたので、じっくりゆっくり見られて、すごく楽しかったです

ガイド役・阿部真さん:
古くて傷んでいるけれども質感も面白いよというような見方が、ちょっとずつでも広まっていったら良いかなと思います

松山の古いビルに息づく歴史と遊び心。レトロな世界は、私たちが行き交う街中にもあふれている。

続いては、今治市にある「喫茶カドミセ」。店内には昭和のグッズが所狭しと並ぶ。

訪れるのは昭和世代が多いのかと思いきや…やってきたのは高校生。意外にも、昭和になじみのない20代から30代、そして高校生のお客さんが多いんだそう。

店を訪れた高校生:
インスタとかで給食が有名だったので、食べてみたいなと思って来ました

「喫茶カドミセ」では、学校で食べていた昔懐かしい給食メニューを楽しむことができる。

給食メニューを食べた高校生:
懐かしい味って感じ

電話で遊ぶ高校生:
もしもし?カドミセに来ています

電話で遊ぶ高校生:
カドミセに来ています?昭和にタイムスリップしました?

電話で遊ぶ高校生:
そうです

店を訪れた高校生:
何か趣があるっていうか、見たことない感じやなと思いました。エモいなと思います

喫茶カドミセ店主・山本裕子さん:
エモいが分からないですよね。ちょっと私、勉強したんですけど、「昭和かわいい」みたいなことなんですよね?エモいは、どういう意味なの?

高校生:
元々、英語の単語で…

喫茶カドミセ店主・山本裕子さん:
あっ!英語なん!知らなかった。英語の単語で?

高校生:
エモーショナルって(単語が)あって。その意味が「感情的な」。それから多分(きてる)

喫茶カドミセ店主・山本裕子さん:
違ってたわ。昭和かわいいじゃなかったわ。全然違った(笑)

その時代を生きたことが無くても感情を揺さぶられる、それがレトロの「エモさ」なのかもしれない。

レトロ取り入れた新しい文化

そして、こんな人も見つけた!

田中美羽さん:
実は洋服も古いのが好きで、こんなものやこんなのを買ったりしています

エモい服装でお気に入りの服を紹介してくれたのは、松山市の専門学校生・田中美羽さん(19)。
中でも、今夢中になってるものがあるそうで…

田中美羽さん:
今、私がハマっているのは、レコードです!

そんな田中さんがよく通うという場所が、創業39年、松山市の老舗レコードショップ「モア・ミュージック」。

田中美羽さん:
きっかけはクイーンの映画から好きになって、そこから聴くようになりましたね。レコードにしかない音とか質感とかを楽しめるのが、CDには無い良さかなと思います

この日も、気になる1枚を見つけてお買い上げ。集め始めて3年ほどになり、30枚以上のコレクションがあるというレコード。
どんなふうに楽しんでいるのか見せてもらった。

田中美羽さん:
これが私がいつも聴くプレイヤーです。今から再生してみます。この曲はアース・ウィンド・アンド・ファイアの「ファンタジー」という曲で、歌詞や音楽全体が祝福しているみたいな、高揚感にあふれる曲なので、すごくお気に入りの一曲です

3万円で手に入れた愛用のプレイヤーで、お気に入りのレコードを楽しむのが田中さんの至福の時。さらに、専門学校での作品作りにもいかされているそう。

田中美羽さん:
作品とかでも、レコード風の名刺みたいなものを作ってみたりとか、古いものと今の新しい文化をつなげたら、もっと面白いものになると思うので、どんどん(レトロなものを)取り入れています

田中さんをひきつけるレトロの魅力とは?

田中美羽さん:
今の私たちだからこそ感じられる新しさだったり、古さだったりを追体験できるのがいいところだなと思います。生活にちょっとあるだけで華やかになる「一輪挿し」みたいな?生活を彩ってくれるものが、レトロ(の魅力)かなと思います

愛媛でもレトロな世界は世代を超えて、多くの人々を魅了している。

(テレビ愛媛)

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