「不登校に関する調査研究協力者会議」第5回目(最終回)がきょうオンラインで開催され、不登校の子どもへの支援施策をとりまとめた報告書の案が大筋でまとまった。

この会議は、立命館大学大学院の野田 正人教授(人間科学研究科)を座長として、小中学校の校長など17人の委員で構成されている。文部科学省は、今後、報告書を公表、全国の学校にも通知される。

不登校の子ども19万6000人超 過去最多

文部科学省の最新の調査によると、2020年度の全国の小中学校における不登校児童・生徒は19万6127人。8年連続で増加していて、過去最多だった。

文科省の調査によると、「最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」は、小学生で最も多かったのが「先生のこと」で全体の29.7%を占めた。教師が「怖い」や体罰などが理由として挙げられている。

次に多かったのは「身体の不調」で26.5%。学校に行こうとするとお腹が痛くなるなどの回答があったとのこと。次いで「生活リズムの乱れ」が25.7%だった。中学生では、「身体の不調(32.6%)」、次に「勉強がわからない(27.6%)」、「先生のこと(27.5%)」だった。

しかし、こういった状況のなかで「学校内外で相談・指導を受けていない児童・生徒」は34.3%にのぼっていた。

「不登校特例校」とは

報告書の案では、「誰一人取り残さない学校づくり」「不登校傾向のある児童の支援ニーズの早期把握」「多様な教育機会の確保」「社会的自立を目指した中長期的支援」の4つを柱としている。

この中で、学校に行けない生徒の教育機会を確保するため、「不登校特例校」を増やすことも掲げられている。「不登校特例校」とは、不登校児童の実態に配慮して、特別な教育課程を行う学校である。しかし、今年4月時点で、全国に21校しか導入されていない。

文科省の担当者は「不登校特例校では、学年に関係なく学んだり、教室になじめない子どもが教室以外でも学べる選択肢があったり、複数の教科を一緒に学んだりしている。不登校の子どもにとってだけではなく、社会が目指す新しい教育があるかもしれない」と話す。

「問題は二次被害」不登校が問題にならない社会へ

会議では、委員が自らも学生時代に不登校だったと打ち明け、「何が問題かというと、二次被害。不登校になったあとに周囲から受けるハラスメントが大きい。保護者に対しても同じ」と話し、「みんなが同じである必要がない社会で、多様な学びを打ち出し、不登校が問題にならない社会にしていくことが必要」と訴えた。

不登校が「問題」ではなく「選択肢」として受け入れられ、不登校でも子どもが学び続けられる環境が求められている。
(画像はイメージです)

記事 929 社会部

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