私がお伝えしたいのは「復活したみこし担ぎ」です。

下町に初夏の訪れを告げる・浅草の三社祭で、境内でみこしを担ぐ目玉行事が3年ぶりに復活しました。
担ぎ手を限定し、ワクチンの3回接種か陰性証明が求められた他、町中ではみこしを台車に乗せるなど、伝統の祭りは新たな形となりました。

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「みこしへの熱い思いコロナ時代の三社祭」

コロナ前は毎年約180万人が訪れていた三社祭ですが、この2年間は大幅に縮小されました。
目玉である、みこしを担いで浅草神社の境内から出す「宮出し」と、祭りの最後に境内に戻す「宮入り」も中止されていました。

その目玉行事が3年ぶり復活し、今年は担ぎ手を約300人の氏子に限定し、ワクチンの3回接種かPCR検査での陰性証明を求めました。
コロナ前には1~2万人もいた担ぎ手からは大幅に減っていますが、担ぎ手のかけ声や手拍子が境内に響き渡りました。

また、町中でみこしは今年初めて「曳台」という台車に乗せられ、「担ぎ棒」で引かれて練り歩きました。
神社の3基のみこしは、これまでは別々のルートを回っていましたが、今年は3基が連なっていて、浅草で生まれ育った90歳の男性も「3基は生まれて初めて見た」と話していました。

この他、町会ごとの判断で子ども神輿も3年ぶりに復活するなど、伝統の祭りは新たな形で続けられています。

浅草神社奉賛会の冨士滋美副会長は「どのようにしたらできるかと考えて、おととしはトラックに乗せて、去年はそれもかなわなかった。今の子どもは物心ついた時にはおみこしが出なかったわけで、見たり経験したりしてもらいたい」と、みこしにかける思いを語っていました。

市原璃音
市原璃音

フジテレビ報道局社会部・警視庁担当。1997年静岡県生まれ。2020年東京大学法学部卒業後、入社。趣味はラジオ聴取。