全国平均よりも低い6.5%。これが何の数字かご存じだろうか?石川県内で育児休暇を取得した男性の割合だ。
カメラは実際に育休を取得した県内の男性に密着し、妻と娘と一緒に過ごす日々で感じた思いに迫った。
まだ慣れない…オムツ替えに奮闘

金沢市に住む小川祥さん(30)。妻の明日美さんと、5月に1歳になる月弓ちゃんの3人暮らしだ。小川さんは4月1日から育児休暇をとっている。

小川祥さん:
エルモ持たない?持ちたくないか…
妻・明日美さん:
(音を鳴らして)これは?
小川祥さん:
よし、立った!右足貸してね。(オムツ替えをする小川さん)

記者:
おむつ替えには慣れましたか?
小川祥さん:
今の感じでは慣れていないんだろうな。機嫌の良い時に立ってもらえるとすっとできるけど、グズっているときはなかなか、うまくできない。

記者:
何点くらいですか?
妻・明日美さん:
今のは…40点くらい(笑)

日々の成長を実感 2人での育児「楽しい」
小川さんの職業は新聞記者。朝は9時過ぎに起きて10時ごろに出社し、帰宅するのはだいたいいつも午後10時過ぎだ。これまで育児にはほぼ関われない生活だった。

小川祥さん:
(読み聞かせをして)いろんな顔がとびだすよー。あいうえおの「あ」はどんな顔?これギューして!
1カ月半の育休を取得した小川さん。今は月弓ちゃん中心の生活を送っている。

小川祥さん:
育休は最初から取ろうと思って取りましたね。本当に一緒に過ごせる時間が長いので、日々成長している姿が見られるのは貴重だなと。(泣く月弓ちゃん)あー、めっちゃ嫌がっている。高い高ーい!
育休を取得したパパ。ありがたみを一番感じたのは、妻の明日美さんだった。

妻・明日美さん:
1人で育児をやっていると、しんどかったり辛かったりしたものが、楽しいものにころっと変わる。もう全然違います。ゼロと100くらい。
小川さんの実家は神奈川県で、明日美さんの実家は福井県小浜市。それぞれの両親にすぐ頼れる状況ではない。

妻・明日美さん:
外出ると静かになるね。
小川祥さん:
内弁慶なのかな?

妻・明日美さん:
精神的なゆとりがあるだけで全然違う。いわゆるワンオペだったから。
小川祥さん:
夫が家庭内でどれだけ協力できるかは、心の負担の軽減になると思う。
妻・明日美さん:
支援センターに行けたらいいけど。何せコロナで…行くの怖いよね。
石川県の男性育休取得率は1割未満
石川県が調査した結果、育児休暇を取得した女性が94.2%であるのに対し、男性は6.5%と1割にも届いていない。なお全国平均は、2021年7月時点で12.7%だった。小川さんが育児休暇を取ろうと思った時に障害はなかったのだろうか?

小川祥さん:
実際に相談しても誰も否定することはなかった。職場の人が、絶対取った方がいいよと。その言葉が後押しになった。

国は2022年4月から、子どもが生まれる従業員、1人1人に育児休暇を取得する意思があるか聞くように義務付けた。さらに10月からは、育児休暇を取りやすいよう分散して取ることも可能として後押しする。

小川祥さん:
たった1カ月半だけど、一緒に過ごすことでこんなに子どもって成長するんだと。これからも一緒にいる時間は、大切にしたいと思うようになった。
(石川テレビ)