大阪・吹田市にある大阪大学。
工学研究科の3Dプリンターでは、ある食品を作る研究が進められている。
大阪大学大学院 工学研究科 松崎典弥教授:
これは培養肉を作るための3Dプリンターになります。もともと医療にかかわるような人体の組織や臓器のモデルの再現、そういった研究をしていまして。人の細胞を、牛の細胞とか動物の細胞に変えると、それが途端に医療の目的でなくて、食料の目的の肉になる
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こちらでは、3Dプリンターを使って人工の肉を作るという研究が行われている。
世界の人口増加に伴い、拡大し続けている肉の需要。その食糧問題を解決するための切り札として、今、この研究が注目されている。
大阪大学大学院 工学研究科 松崎典弥教授:
肉を食べる時に箸でいじると分かるけど、細かい繊維からできてますよね。その細胞をプリントします。繊維状にプリントしていって、筋肉の繊維とか脂肪の繊維とか血管の繊維を作るんです
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大阪大学大学院 工学研究科 松崎典弥教授:
この針で、繊維を1本ずつ出していくイメージです
まずはゼリーのような液体に針を差し込み、筋肉や脂肪の元になる繊維を1本1本プリントし、2週間ほど培養。
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そして実際の肉を顕微鏡で分析して作った設計図をもとに、1本ずつ手作業で並べて肉を再現する。
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まだ実験段階で気が遠くなるような作業が必要だが、近い将来、これらの工程をすべて自動化することを目指し、研究が進められている。
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大阪大学大学院 工学研究科 松崎典弥教授:
こういう技術で生産された肉というものがスーパーとかお店に出て、我々が買えるようになるまでは、多分これから5年…10年以内にはそうなると思います。
SDGsとか環境汚染とか、消費者の皆さんの意識も、今すごく高まってますし。
いろんな負荷がない食材というものの需要も高いので、法整備さえ整えば、どんどん進んでいくんじゃないかなと期待をしています
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3Dプリンターで作られた培養肉が食卓に並ぶまでには、まだ少し時間がかかりそうだ。
味・安全性の確認や価格など課題はあるが、実現すれば、食糧問題解決への大きな一歩となることが期待される。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年4月28日放送)