これまでに、保健所から200匹以上の子ネコを保護してきた男子中学生が静岡・富士市にいる。
傷ついた子ネコ、衰弱した母ネコの出産。過酷な現場に立ち会ってきた。
その保護活動をまとめた写真展が開催された。
中学生が展示会を通して伝えたかった思いとは。

知って欲しい...子ネコの過酷な状況

展示された保護ネコの写真
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おびえて、不安そうなまなざし。一方で、愛くるしい表情も。
これらの写真は野良ネコだったり、飼育できずに保護されたりした子ネコたちだ。
どの子ネコも、殺処分される予定だった。

赤石朔さん:
子ネコたちを保護して育てて里親につなげる活動をしてきましたが、こういうような保護活動(をしなければならい)ブラックな面は根深く、そういうところを多くの人に知ってもらいたい

赤石朔さん(中学2年生)

富士市の中学生、赤石朔(さく)さん。
小学5年生の頃から子ネコを保護し、里親を探す活動をしている。
今回、保護した子ネコたちの過酷な現状を知ってもらおうと、これまでの活動をまとめた写真展を開いた。
なぜ子ネコを保護する活動を始めたのだろうか。

赤石朔さん:
2匹の子ネコの里親になったことがきっかけです。それにより、ネコたちを取り巻く過酷な現状を知って、自分たちに少しでもできることはと考えた結果、この活動を始めました

衰弱した母ネコ・・・中絶か出産か

母親と一緒に活動を始めた朔さん。生後間もない子ネコには、2~3時間おきにミルクを与え、体調チェックも欠かせない。そして、3年間で約210匹の子ネコを保護してきた。

子ネコにミルクを与える朔さんと朔さんの母

朔さんの母:
モモ、おなか空いてない?

赤石朔さん:
食べてる、食べてる

いま保護している子ネコは約20匹。
このうち母ネコのモモは、数が増えて十分な世話ができない状態、いわゆる多頭飼育崩壊した環境から保護された。
出産間近だったが衰弱がひどく、堕胎手術もやむを得ない状況だった。

赤石朔さん:
小さいけれど(赤ちゃんの)心臓が動いていたので、ここで中絶させては言い方を変えれば殺すということになるので、命を救っている立場でそんなことはできないと思って、リスクはあるけれど産んでもらうことにしました

衰弱がひどかった母ネコのモモ

母ネコの命が危険にさらされる恐れもあり、深く悩んだ朔さん。
小さな命を守りたいという思いから出産を決断し、無事4匹の子ネコが誕生した。

赤石朔さん:
無事に(生まれ)本当に奇跡だと思う。ネコたちも丈夫な体ではないので、ひどい扱いをされているのを見ると許せない。もうちょっと考えて行動して、避妊去勢など当たり前の責任を果たしてほしい

来場者に伝わる朔さんの思い

静岡・富士市で開かれた写真展

こうした思いから写真展では、年間2万匹のネコが殺処分される現状やネコの正しい飼い方を紹介するコーナーを設け、来場者に命の大切さを呼びかけた。

来場者:
かわいそうな思いをするネコが減って、幸せな生活を送れるネコが増えればと思う

別の来場者:
命の大切さを感じて活動されていると思うので、すばらしいと思う

写真展では、「うちの子自慢」と題したパネル展示も用意した。
これは里親のもとで幸せに暮らすネコたちの姿を知ってもらい、新たな飼い主を募集しようというもので、多くの里親たちが協力した。

朔さんから子ネコを引き取った同級生も

朔さんは保護した子ネコ1匹1匹に、家族の証として名前をつけ、里親に引き渡す際には成長の記録をまとめたアルバムも一緒に手渡している。

泉さんの母:
これだ、この写真は絶対使いたい

2匹を引き取った泉さんの家族

「うちの子自慢」に使う写真を選んでいるのは、富士市に住む里親の泉さん一家。
長女の音羽さんは、朔さんと同級生だ。
朔さんの活動を知り、2匹の子ネコを引き取った。

泉音羽さん:
(朔さんは)すごいと思う。本当にネコを大切にしているところが尊敬できる

朔さんの活動は、同級生にも影響を与えている。

朔さんの同級生・泉音羽さん(右)と2匹の保護ネコ

泉音羽さん:
保護ネコを一緒に家族に迎えることで、命の大切さを学ぶことができると思いました。一緒に過ごすことの責任感もあるが、かわいい様子を見せてくれて本当に毎日が楽しくなりました

ネコとピアノの共通点

会場に響くピアノの音色。

写真展でピアノを演奏する朔さん

赤石朔さん:
ネコとピアノに似たものを感じていて、どっちも見えはしないが言葉がなくても伝わる、心で通じ合うようなもの。両方ともきれいなものなので、そういう共通点からヒントを得て、ここで演奏しようということになりました

ネコとピアノに共通点を感じるという朔さん。
来場者にピアノの音色で、優しい気持ちになってもらおうと演奏した。

来場者:
温かい音色だとただ感じるだけでなく、ちゃんと思いがあって弾いていたというところから、本当に愛だと感じました。この子達が1匹でも多く殺処分されることないように願うばかりです

子ネコの写真を通して訴えた命の大切さ。

赤石朔さん:
ネコも人間の命も全く両方同じものなので、そういうことをみなさんに知ってもらい、優しく助け合える社会にしていきたいと思います

生まれてきた全ての命が幸せに生きられるように。朔さんの活動は、これからも続く。

※朔さんたちが保護している子ネコたちはすべて保健所から引き取っていて、一般の人から子ネコを引き取ることはしていない。

(テレビ静岡)

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