保護されたネコや犬を救おうと、高知県南国市のペットショップがペットの販売をやめ、販売スペースを保護ネコなどを新しい家族に譲り渡す会場に改装。2つの動物愛護団体に毎日無償で貸し出すという、県内初の試みをスタートさせた。

ペットホテル・トリミングサロンを併設

2021年8月、高知市高須のごみ捨て場に、生まれたばかりの子ネコが捨てられていた。通りかかった人が、ポリ袋に入れられていた子ネコを見つけて通報。

この記事の画像(14枚)

その後、ボランティアに引き取られ、譲渡会などで新しい里親が見つかった。しかし里親が見つからなければ、殺処分される場合もある。

高知県が発表している、2015年から2021年までに保護、または処分された犬とネコの数を表しているグラフ。犬・ネコともに減少傾向にあるが、ネコの処分は3桁と依然高い数字になっている。

そんな中、保護されたネコや犬を救おうと、南国市篠原にあるペットショップ「アシスト南国」が新たな挑戦を始めた。ペットの展示販売を1月末で終了し、毎日譲渡会が開催できるスペースをオープンさせたのだ。

アシスト南国は、ホームセンター事業などを手掛ける「フタガミ」が運営していて、ペットホテルやトリミングサロンを併設した店として、2005年のオープン以来、地元の人に親しまれている。

川辺世里奈アナウンサー:
店の奥にかわいらしいスペースがありますよ。ネコは1匹もいませんね

午前10時の開店後も、展示スペースは空っぽ。販売スペースは保護ネコなどを新しい家族に譲り渡す会場に改装され、3月から「OUEN(おうえん)SPACE」として、2つの動物愛護団体に毎日無償で貸し出す県内初の試みをスタートさせた。

猫はリラックス 直接ふれあいも

この日は、動物の保護活動を支援するNPO法人、アニマルサポート高知家が譲渡会を開き、6匹の保護ネコがやってきた。

「アシスト南国」では4年前から店の外で週1回、譲渡会を開催していたが、天候不良や夏の暑さなどが課題だった。そこで、ネコや犬にストレスを与えない譲渡スペースを作りたいと、店長の前田英良さんが会社に提案した。

アシスト南国 前田英良店長:
(スペースは)部屋のイメージでつくっているので、部屋の中で動物とふれあい、家族として迎えられるか判断していただける

通常、ペットショップの展示販売スペースは、1匹あたり4分の1畳ほどなのに対し、「OUEN SPACE」は約9畳あって一度に6匹が入れる。雲の形や6角形の足場があり、高い所が好きなネコにピッタリなデザイン。

里親を希望する人は直接ふれあい、相性を確かめることもできる。

川辺世里奈アナウンサー:
おいで!お~元気いっぱい。力が強いね!(猫じゃらしを)離してくれない…私の方が遊ばれてますね

家族に迎え入れるには、2週間のトライアルが必要

カメラに興味津々な「こんぶ」と「とろろ」は兄弟。2021年9月、高知市の高齢男性から「納屋の軒下で野良ネコが子どもを産んだ」と相談があり、保護された。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
すごく人が好きでね。甘えてますね

ネコのリラックスした表情や無邪気に遊ぶ姿が見られるのが、このスペース最大の魅力。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
ものすごい気品がある子です。

お客さん:
この子、気品があるって!

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
きのうから参加してます。

お客さん:
かわいい~。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
この子は人が大好き。自分からお腹ごろんって見せるくらい大好き。

お客さん:
抱っこしたいね。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
してみますか?

お客さん:
おばちゃんところ来るかね?そう?来たい?きょうでも抱っこして帰りたいくらい。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
残念。きょうは無理ですね。

家族として迎えるまでには、まず保護団体のスタッフが家を訪問し飼える環境か確かめたあと、一緒に暮らしてみる2週間のトライアルなどの段階が必要だ。

アニマルサポート高知家 掛水恵子副理事長:
さっそく今日、お家訪問することになりました。いつもは狭いゲージですが(OUEN SPACEでは)また違う表情を見せてくれるので、譲渡率も上がるのでは

「保護ネコのイメージ覆す」と期待感

譲渡会では、3月13日から30日までの間に、2つの動物愛護団体で合わせて犬2匹・ネコ8匹のトライアルが決まった。

アニマルサポート高知家によると、これから5月にかけてネコが出産時期に入り、「育てられなくなったから保護してほしい」などの相談が増えるという。人間の身勝手で保護されたネコや犬が、新たな家族に出会えるように…。理事長の吉本由美さんも「OUEN SPACE」に期待を示す。

アニマルサポート高知家 吉本由美理事長:
保護ネコのイメージが覆るようなスペースです。毎日が譲渡会なので、毎日誰かに見てもらえる。気軽にここだったら来ていただけるので、本当にありがたいです

「アシスト南国」の譲渡会は、毎日午前11時から午後4時まで開かれ、平日には80人、土日には多い日で200人が訪れている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ
メディア
記事 282