警察庁は、24日午前、最新の暴力団情勢について発表した。それによると、去年末時点で、全国の暴力団構成員と準構成員の数は2万4100となり、過去最少を更新した(構成員1万2300人、準構成員1万1900人)。30年前の9万1000人に比べると、3分の1以下まで減った。

構成員と準構成員の数が最も多いのは山口組で8500人。山口組だけで全体のおよそ35%を占めた。次いで住吉会が4000人、稲川会が3100人となっている。山口組から分裂した神戸山口組は1000人、さらに分裂した絆会は230人だった。

去年1年間に、全国の警察に摘発された暴力団組員らは1万1735人で、平成以降、最も少なかった。このうちのおよそ4割・4496人は山口組だった。また、摘発人数のおよそ8割を、山口組、神戸山口組、絆会、住吉会、稲川会などの主要団体が占めた。

「特定抗争指定暴力団」に指定されている山口組と神戸山口組は、対立抗争が続いていることから、現在、16市町が警戒区域に定められている。このため、区域内での事務所の新設、対立組織の組員へのつきまとい、多数での集合などが禁止されている。去年、この2つの団体の対立抗争に起因するとみられる事件は3件発生した。

一方、工藤会は、集中的な取り締まりなどで、事務所が相次いで閉鎖され、総裁への死刑判決も出ているが、去年12月、「特定危険指定暴力団」の指定が延長された。指定延長は9回目。去年末時点で、工藤会の構成員は約250人。ピークは2008年ごろで約770人にのぼっていたが、2014年に、福岡県警が「頂上作戦」に乗りだすなど、工藤会の壊滅を目指している。
(画像は山口組本部に家宅捜索に入る警視庁捜査員・2月18日)

社会部
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