誰もがショッピングを楽しめるように、さまざまな工夫が凝らしたスペースが東京・渋谷に誕生した。

障害のあるアート作家のデザイン

カラフルなデザインがおしゃれにちら見えするのは、「FABRIC TOKYO」が18日から予約販売する新商品。裏地のカラフルなジャケットは、知的障害のある人のデザインが使われている。

この記事の画像(11枚)

丸井グループ、オーダーメードスーツを展開するFABRIC TOKYO、そして、障害のあるアート作家の作品をプロダクト展開するブランド・ヘラルボニーが発表したインクルーシブ社会を目指すプロジェクトによるもの。

商業施設「渋谷MODI」4階が、インクルーシブをテーマにしたフロアに変わる。

こちらに並ぶバッグやネクタイはヘラルボニーのデザインを活用した商品。4月27日まで実際に購入もできる。

パラアイスホッケー元日本代表がアドバイザー

リニューアルオープンしたFABRIC TOKYO「All-Gender Store」も。

バリアフリーで車いすでの買い物が楽しめるほか、商品を見るテーブルにも工夫が…

この店舗設計にアドバイザーとして参加した、パラアイスホッケー元日本代表上原大祐さんに、使いやすさのポイントを教えてもらった。

パラアイスホッケー元日本代表・上原大祐さん:
(一般的な店では)テーブルの脚に車いすが引っかかったりして、なかなか近づくことができないが、このテーブルだと脚がないので車いすを中まで入れることができます

目線の高さや広さなど、店内には上原さんのアイデアが生きている。

フィッティングルームも車いすの高さに合うベッドや手すりが設置されているが、もう1つ特別な仕掛けは、鏡が天井に付いていること。

パラアイスホッケー元日本代表・上原大祐さん:
寝ることによって皆さんが立っているのと同じことになるので、脱いだりはいたりするのがしやすい。寝た状態でしっかりとフィッティングしたあとに自分の姿を見たいということで、今回一番の特徴は、このように天井に鏡を付けたことです。わたしは生まれつき障害を持っているので立ったことがないから、こういう真っすぐな自分の姿って見たことが実はない。われながらいいアイデアでした

車いすの人にとって、これまで試着室ではできなかった「立ち姿が見たい」。この試着室なら誰もが同じ試着体験ができるようになるのだ。

インクルーシブを大切にする新しい商業施設。若者の街、渋谷から届けたいメッセージとは...。

パラアイスホッケー元日本代表・上原大祐さん:
コト・モノ・街を作っていく時って、健常者の皆さんが想像で『障害を持った人たちってこうだろうな』みたいなところを作っている。今回のように作る段階から一緒に混じれる、意見を聞いてもらえる、その意見を反映してもらえるとか、そういう場所が日本に増えていくといいなと。『あそこ行けるんだ』という場所が増えていくことによって、健常者も障害者も一緒に混じり合う機会が増えてきて、最終的にこの共生社会をつくっていくと思います

(「Live News α」3月17日放送分)