痩せる目的で始めたが…コロナ禍で人気のランニングスクール
40～60代の男女3000人に行ったあるアンケートで、約3割の人がコロナ前（2019年）に比べると「運動機会が減った」と回答している。いま会員数を伸ばしているランニングスクールを取材すると、初心者からベテランまで、走る楽しさを実感する多くの人たちの姿があった。
名古屋市北区にある名城公園には、大勢の市民ランナーの姿が…。コロナ禍で迎えた2度目の冬。運動不足の解消に、手軽に始められるランニングが人気となっている。
公園内にある「ランニングスクール フロッグ」の会員数は増えており、特に運動経験が少ない初心者の入会が増えている。
午前10時。ランニングスクールの定期練習会には、20代から70代まで幅広い年代の人たちが集まっていた。
参加者の男性A:
（ランニング歴は）20年くらい
参加者の女性A:
去年（2021年）6月に始めたばっかり
初心者からベテランまで、この日は総勢約70人が集まった。練習会は、マラソン完走や自己ベストの更新を目指す「マラソンコース」に、健康維持やダイエット目的の「継続コース」、そして運動が苦手で体力に自信がない人でも安心して始められる「入門コース」の3つのプログラムが用意されている。
参加者の女性B:
痩せる目的もあったけど、今は走れるようになりたい
参加者の男性B:
ダイエットとフルマラソンを走ってみたくなった
まずは体作りから…普段の生活でも大切な足の付け根の筋肉を鍛える
まずは準備運動。その場で1分間交互に足を上げる「足踏み」から。
原田拓さん:
1分間結構長いので、最後まで目いっぱい高く上げられるペースで。1分間で10回しか上げられなくてもOKです
ポイントは、膝を目いっぱい上げること。続いては、「もも上げ」を50回。そして、座った状態で足をバタバタさせる「腹筋」を50回。これを3セット行う。
「ランニングスクール フロッグ」代表の原田拓さんは、この3つのトレーニングは、普段の生活にも欠かせない「腸腰筋」という足の付け根の筋肉を鍛えてくれると話す。
原田拓さん:
足を上げるために必要な筋肉。おじぎした時に体が折れるあたりの筋肉。高齢者の方が家の中の段差でつまずいて転ぶことって、腸腰筋が衰えていることが原因
走るためには体作りが基本。初心者がいきなり長い距離を走ると、ケガをするリスクが高いと原田さんは話す。
参加者の女性C:
キツイです。でもやり遂げると気持ちいい
中には、79歳の女性も…
参加者の女性D（79）:
外で何か運動したいのがあって、ランニングすると気持ちいい。目標は1年後に42キロを走りたい
フルマラソンに初出場するという女性2人は…
参加者の女性E:
初めてフルマラソンを走るので…。ダイエット目的もありますし、何か継続できることがあればと
ランニング歴20年というベテランもいた。
参加者の男性A:
昨日20キロちょっと走った。特に筋トレは一人だと本当に嫌になっちゃうので…
「コロナ禍で引きこもらない」…ランニング効果を実感する人たち
スクール代表の原田さんは、国士舘大学時代にチームの主軸として箱根駅伝に出場。実業団で活躍した後、2013年にスクールを立ち上げた。これまで、のべ8万人を超える市民ランナーにトレーニングを通じてランニングの楽しさを伝えている。
原田拓さん:
コロナで運動不足はわかっていても、一人では始められないという方が、ランニングだと外だし、運動しようと
コロナをきっかけに、原田さんはこれまでよりさらに初心者向けのコースに力を入れるようになった。参加者の多くが、気軽に始められるランニングの効果を実感している。
参加者の女性F:
ここがあったから、コロナ禍でも気持ちが引きこもることもない
参加者の女性G:
なんで楽しそうに走っているんだろうっていうのが、やってみるとすごくよくわかりました。楽しい
参加者の女性H:
71歳ですけど仲間もできたし、若い子たちとも親しくなれた。走っていると楽しくて、心も体も健康でいられる
「走って人生をカエル（フロッグ）」。スクールの名前にも、そんな思いが込められていた。
原田拓さん:
走ることで、健康になったり気持ちも前向きになったり…。いろんな人生にポジティブな影響がある
長引くコロナで運動不足と感じる人に、気軽に始められるランニングを選択肢の一つに入れてほしいと原田さん。コロナ禍のランニングスクールを取材すると、たくさんの人たちが走る楽しさを実感していた。
名城公園にある「ランニングスクール フロッグ」では、月額5500円で（水）（木）（土）（日）の定期練習にいつでも参加ができる。
（東海テレビ）
