日向灘を震源とする最大震度5強の地震発生から2月22日で1カ月。専門家は「余震の回数は減少していて落ち着きつつあるが、今後起こりうる、より大きな地震への備えを続けてほしい」と呼びかけている。
1月22日未明、日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、宮崎・延岡市と高千穂町で震度5強の揺れを観測した。
この記事の画像(10枚)県内では、転倒するなどして4人が軽いけがをしたほか、建物の一部が壊れる被害や断水も起きた。
作業車が通れない 地面に大きな亀裂
地震から1カ月、延岡市北浦町では、今も被害の爪痕が残る。
北浦漁協販売課・渡辺明輝さん:
普段はここまであったんですが、これくらい下がってですね、地盤が沈んだんですかね
北浦漁協の荷さばき所では、最大で9cm、長さ約130メートルに渡って亀裂が走り、作業に支障が出ている。
北浦漁協販売課・渡辺明輝さん:
フォークリフトが上がれなくなって、だいぶ作業には支障が出ています。(復旧には)時間がかかると言っていました
一方、ガラス58枚が割れる被害に見舞われた北浦体育館では、工事用の足場がかけられ、ガラスの入れ替え作業が行われている。
延岡市教育委員会・吉田宏喜さん:
今から中の工事に入る予定になっています。工事が終わりましたら、皆さまに施設を使っていただきたいと考えています
より大きな地震に備え…「改めて対策の見直しを」
足元に潜む脅威を改めて思い知らされた今回の地震。
地震活動の現状について、京都大学防災研究所の山下裕亮助教は、次のように語る。
京都大学防災研究所 宮崎観測所・山下裕亮助教:
余震の状況に関しては、まだ有感の地震が時々発生している状況ではあるのですけれども、数自体は順調に減少していまして、このまま落ち着くのではないかと思っているところです
今回の地震は、南海トラフ地震の想定震源域内で発生したが、プレート境界での地震ではなく、地震の規模も小さかったことなどから、南海トラフ地震への直接的な影響はないとされている。
山下助教は、「今回の地震の影響を過度に心配することはないが、今後起こりうる、より大きな地震への備えを続けてほしい」と呼びかけている。
京都大学防災研究所 宮崎観測所・山下裕亮助教:
われわれが備えるべきは、この後に起こるマグニチュード7を超える地震、もしくは南海トラフ地震です
京都大学防災研究所 宮崎観測所・山下裕亮助教:
1カ月前にマグニチュード6.6の地震が起こりましたけれども、1カ月前よりは(発生確率は)上がっています。今一度、地震に対しての対策を改めて見直していただくといいと思います
今回は、幸い津波は確認されていないが、マグニチュード7を超える日向灘地震や南海トラフの際には、津波が発生するおそれもある。
今回の地震の発生を機に、もう一度、防災グッズや避難経路などを考え直すことが重要だ。
(テレビ宮崎)