下着やスプレーなど約150アイテム

女性の悩み解決をテクノロジーでサポート。

3月8日の国際女性デーを前に、女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の専門店が、埼玉・越谷市のイオンレイクタウンにオープンした。

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夜用の下着はデバイスを内側につけることで、寝ている間に自動で温度を計り、妊活などをサポートする。

温度を自動で測れる下着
温度を自動で測れる下着

このほか、吸水ショーツや遠赤外線を使い血行を促進するという腹巻きなど、生理や更年期といった女性の悩みに応える商品が約150アイテム販売されている。

来店客:
前々からフェムテックという言葉を知っていて、これから年齢的にも更年期など迎えるにあたっていろいろ自分でもメンテナンスが必要だなと思っていました。説明してもらったり、実際の商品に触れたりできたので、それもいいと思います。

イオンモール CX創造本部・八幡めぐみさん:
都心の方にしか(フェムテック関連)店舗がないというところで、商品を実際に触れる場所が少なかったり、情報を知れる場所が少ない、気軽に行けないというところはすごく強く感じていました

イオンモールでは今後、ほかの店舗での展開も検討していきたいとしている。

フェムテックは、2025年には市場規模が5兆円になるという試算もあり、ユニクロやジーユーなど企業の参入も広がっている。

医療とのいいとこ取りで快適に

Live News αでは産婦人科専門医で4人のお子さんを育てる母でもある稲葉可奈子先生に話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
女性が抱える健康の悩みにテクノロジーで応えるフェムテックですが、臨床の現場で女性の健康と向き合う稲葉先生の目にはどのように映っていますか?

産婦人科専門医・稲葉可奈子先生:
フェムテックは去年の流行語大賞にもノミネートされ注目されていますが、ワードだけが独り歩きしている感も否めません。女性特有の悩みを我慢しないといけないわけではない、むしろ我慢しなくていいんだいう認識がフェムテックの流行とともに広まるのはとても嬉しいことです。例えば、生理痛や更年期症状はあって当たり前、つらくてもしょうがない、と思われていることが多いですが、全くそんなことはありません。女性特有の健康の悩みを解決する、という概念がフェムテックとともに広がることで、日本社会の意識改革につながるのではと期待しています

三田友梨佳キャスター:
フェムテックという言葉は聞いたことがあっても、どのように取り入れればいいのかわからない方も多いと思うんですが、フェムテックや医療とはどのように付き合っていけばいいのでしょうか?

産婦人科専門医・稲葉可奈子先生:
大事なことはフェムテックだけで解決しようとしないことです。医療とフェムテックは相反するものではありません。症状によっては受診が必要なものもありますし、逆に医療だけでは解決しないこともあります。例えば、生理痛がひどかったり生理の量がすごく多い場合は受診や治療が必要です。一方で、ナプキンかぶれなど生理中の不快を緩和するために吸水ショーツなどのフェムテックを活用するなど必要に応じて両方のいいとこ取りをして、毎日を快適に過ごして頂ければと思います

三田友梨佳キャスター:
そうしたストレスを少しでも減らすことができれば、やりたいことにより集中できる環境がうまれると思いますし、余裕が生まれて周りにももっと優しくなれる、そんな風にも感じます

産婦人科専門医・稲葉可奈子先生:
例えば育児の負担はパートナーでシェアできても女性が妊娠と出産を担うのは変えがたい性別の違いで、フィジカル的な格差はゼロには出来ません。生理や更年期などによる症状は、これはもうホルモンのしわざなので、自分ではいかんともしがたい事です。そういった部分でパフォーマンスに影響が出てしまうのはもったいないと思います。医療とフェムテックのいいとこ取りをして、女性が持てる力を存分に発揮できるようになるとジェンダー格差の解消や女性の活躍推進にもつながるはずです

三田友梨佳キャスター:
身体の不調やホルモンバランスによる心の乱れなど女性特有の悩みは多くあります。それらを仕方のないものとしてつらい思いをしながら受け入れている方も沢山いらっしゃると思います。悩みから解放されてもっと自分らしくいられるように改めて自分自身の体と向き合うこと、そして時にはこうした技術に頼ることも大切なのかなと感じますし、周りの理解もさらに広がっていってほしいと思います

(「Live News α」3月3日放送より)