近年注目が高まり、広島県内でも活発化している「次世代モビリティ」の実証実験。大久野島では今、”人”と”うさぎ”、さらには環境にも優しい乗り物のニーズが検証されている。

かつて地図から消された島は"うさぎの島”に

広島・竹原市の忠海港から船で15分の場所に浮かぶ大久野島。

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加藤雅也アナウンサー:
うさぎの島というだけあって、島のいたるところでうさぎの姿をみることができます。人間になれているのか、全く逃げるような様子は見られません。むしろ、寄ってきました

約1,000匹のうさぎが生息しているとされるこの島。かつては陸軍の毒ガス工場があり、「地図から消された島」だったが、現在は国立公園に指定され、”うさぎの島”として、多くの観光客に愛されている。

そして今回、この島を舞台に”全国初”となる実証実験が始まった。

広島トヨペット・嶋吉敏文常務:
立ち乗り型のバッテリーEV。これからのモビリティと言われている中で、どう活用できるかのチャレンジ

広島トヨペットが竹原市などと共に進めるこの、次世代モビリティ「C+walk T(シーウォーク・ティー)」を使った周遊観光ツアー。

広島トヨペット経営企画部・香西俊吾さん:
(竹原市が)ウサギにとっても、人にとってもベストなモビリティは何かという話をしていて、ぜひそこで実証してみないかという話があった。立って乗っていただく形のバッテリーEVで、こういう形で進んでいただく

”すべての人に移動の自由を”をコンセプトに、免許を持たない人や身体の不自由な人などにも島内の移動を楽しんでもらいたい狙い。

うさぎへの安全を確保しつつ実証実験

加藤雅也アナウンサーが実際に試乗させてもらった。最高速度は4段階で設定でき、今回の実験では時速6kmに限定。1周約4kmの島内を50分で巡る。

加藤雅也アナウンサー:
操作も簡単で、これくらいの速度であれば安心して景色を眺めることができる。そしてウサギと出くわした時のために、ウサギに危険を知らせるブザーがなるんですよ

そして最大の特徴は、トヨタの安全技術がすべて詰まったともいわれる安全性の高さ。島内ではこれまでレンタサイクルが人気の観光アイテムだったが、夢中でエサを食べるうさぎは周りが見えず、急に危険を察知して、走行している自転車や車輌に体当たりしてしまうことがあったという。

そうした課題を解決する今回のモビリティには、路面の状況や障害物などを感知して減速させるセンサーが搭載され、車輪の前には万が一ウサギにあたっても車輪がウサギに接触しないよう、柔らかい素材でできたカバーもつけられている。

加藤雅也アナウンサー:
この道の先に段差があるがどうでしょうか…難なく乗り越えていきますね

未来のために試される環境に優しい「次世代モビリティ」。毎週土日に行われ、3月中旬からは島内10カ所の観光スポットで最大17カ国語で自動ガイドするシステムも導入する予定。

(テレビ新広島)

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