新型コロナウイルスによる世界規模の問題で、山陰の日本酒が影響を受けている。
島根・松江市の酒蔵(しゅぞう)には、日本酒が山積みに。
そのわけは、労働者不足などによる物流の停滞だった。

感染拡大による物流停滞…影響は日本酒にも

コロナ禍の物流停滞。
生活に身近なところでは、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドやモスバーガーのポテトに影響が。その背景の1つが海の物流。

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先般、エンジン系の故障で隠岐の島に接近した巨大コンテナ船。
こうした海外との輸出入を担う物流が、アメリカなどの感染拡大による労働者不足で停滞、そのあおりを受けた形だ。

しかし影響はポテトだけではなく、山陰の日本酒にも及んでいた。

発送のめど立たず “出荷待ち”は3700ケース超

松尾直明記者:
こちらの酒造会社では、輸出用に山積みになった日本酒が2,000ケース以上あります。その大部分が、発送のめどが立っていないということです

島根・松江市で日本酒を製造する「李白酒造」。
創業140年の酒造会社が、苦境に立たされている。

(Q.ここに何ケースくらいある?)
李白酒造・田中裕一郎社長:

ここで1,000ケースくらい。ここは酒を置く場所ではなく、玄米と精米し終わった米が置いてある場所だが、もう敷地内に置く場所がないので出荷待ちの酒が置いてある

山積みになった日本酒のケース。
本来、酒米を保管するスペースだが、急きょ、出荷を待つ日本酒置き場になってしまった。

李白酒造・田中裕一郎社長:
これはスペインに行く商品、これ1月27日(発送)、本当かよ。過ぎとるやん…

別の倉庫には、アメリカ行きが2,000ケース以上山積みに。
保管分は合計3,700ケース以上、全て輸出用の日本酒だ。

巨大コンテナ船の物流停滞で、海外に発送できないという。
ダンボールには、「2021年12月にも発送」の記載。実に、2カ月以上遅れていることになる。

影響はほかの酒造会社にも…海外戦略に打撃

李白酒造・田中裕一郎社長:
日本酒が飲みたい人がいるのに届けられないのは、1番大事な仕事ができていないことで、非常に残念

アメリカを中心とした輸出は、世界的な輸送機能の停滞で、配送のめどが大部分立っていない。

李白酒造・田中裕一郎社長:
どこの国に送っても少しずつ遅れが出ていて、この状況は続くと思う。できるだけ早く正常化してほしい

輸出に力を入れている鳥取・境港市の千代むすび酒造や、安来市の吉田酒造といった、山陰のほかの酒造会社にも、資材の高騰や運送の遅れの影響が出ているという。

地域から世界へ。
コロナ禍の海外戦略に、狂いが生じ始めている。

(TSKさんいん中央テレビ)