現地時間18日の深夜、二大会連続のメダルを目指し、北京の地で、奮闘してきたカーリング女子の笑顔が氷上に咲いた。カーリング女子日本代表が、準決勝で予選リーグ1位のスイスと対戦し、日本は8-6の接戦を制して勝利を収めたのである。
これで日本カーリング史上初めてとなる銀メダル以上が確定し、“頂上決戦”への挑戦権を手に入れた。
この記事の画像(5枚)対戦相手は苦杯を飲まされた強豪・スイス
準決勝の対戦相手は、スイス。世界選手権2連覇の強豪国だ。予選リーグでは苦杯を飲まされ、今回はリベンジマッチに日本は挑む展開。
序盤は、お互いに一歩も譲らない緊迫した展開が続き、流れが変わったのは第5エンド。スキップである、日本のエース藤澤選手がダブルテイクアウトと呼ばれる相手の石を一気に2つはじき出し流れを引き寄せた。4点を奪う猛追を見せて、5対2と3点リードして試合は折り返しに。その後、一時1点差に詰められるなど緊迫した試合運びとなったが、主導権を渡さなかった。
そして最後の第10エンド、日本はラストショットで点数を奪い結果8対6で勝利した。
カーリング女子支える立役者
筆者が印象に残っているのは、試合終了後、取材陣が選手たちと唯一直接正面で話しを聞くことができるミックスゾーン直前の映像だ。そこにはカーリング女子のリザーブの石崎琴美選手が映し出されていて、選手たちを労うようにやさしく微笑みハグを交わす姿があった。
石崎選手は、北京五輪日本選手団で最年長の43歳。
バンクーバー大会(2010年)など2度のオリンピックに出場した経験があり、平昌五輪後の20年にチームに加入。今回の大会で氷上に立つことはないが試合中にはコーチと対戦相手の分析でチームを支える存在だ。
石崎選手は、試合前日などには会場で石や氷上の確認を行うなど献身的に選手らを支え、チームの底力となっている。さらに「まずは4人が気持ちよくできればいい。勝ち負け抜きにカーリングを心から楽しめる場所になったらいいと思っている。」と話すなど、カーリング女子全体でまさに一丸となって挑んだ結果が今回の結果に繋がった。
決勝でも大輪の笑顔を咲かせ!カーリング女子
勝利が確定した瞬間、選手たちは一つに集まり、その偉業を噛みしめていた。彼女たちは抱き合い、一人ひとりが天を仰いで満面の笑みで天を仰ぐその姿はまさに、氷上に咲いた“太陽の花”ひまわりのようだった
平昌五輪から4年、決して平坦ではなかったはずの彼女たちが歩んできた道のりがどこへ向かうのか、彼女たちを心から応援したい。
(北京五輪取材団 陶山祥平)