小林陵侑が銀メダル 師匠・葛西が直撃
この記事の画像(8枚)北京五輪、スキージャンプ男子ラージヒルで、小林陵侑(25)が銀メダルを獲得した。ノーマルヒルの金メダルに続く2つ目のメダルを獲得した愛弟子に、師匠の葛西紀明(49)が興奮冷めやらぬまま言葉をかけた。
ーー陵侑おめでとう!
ありがとうございます
ーー銀メダル正直、嬉しいですか?悔しいですか?
ちょっと悔しいですけど、でもパフォーマンス的にはすごく安定したものを出せたと思うのでよかったです。この緊張感の中で自分のいいパフォーマンスを出せたのはすごく大きいです
ーー残りは14日のスキージャンプ男子団体、ワールドカップでは3位、2位と来ているので、意気込みをお願いします
団体でもヒルサイズ越えのビッグジャンプをしたいと思います
ーーまた団体のメダルセレモニーに行くので、何か首にかかるのかなという気持ちで行きます
ありがとうございます
現地で葛西が見た勝敗のポイント
今回のラージヒル、金メダルとの差は3.3点(飛距離換算で1.83メートル)の僅差。熱気冷めやらぬ国家スキージャンプセンターで、葛西さんが見た勝敗を分けたポイントを聞いた。
今回のラージヒルでは、1回目でしっかりとスキー板を立て142メートルのビッグジャンプを披露。テレマークも決めトップに立った小林。
迎えた2回目。小林の前に1回目で2位につけていたノルウェーのM.リンドビーク(23)が140メートルを飛んでトップに躍り出た。そして、最後に小林の滑走順がやって来る。金メダルへ求められるのは140メートル越えのジャンプ、この時の状況を葛西さんはこう説明する。
「1本目でトップで折り返し、2本目は一番最後に飛ぶ『重圧』というものが半端ないと思うんですよ。優勝したリンドビーク選手が飛んで会場が沸く。金メダルが掛かってくる重圧がグッと来るんですよ。でもプレッシャーの中をよく飛びましたよ」
日本人初の「個人2冠」の大いなる夢がかかる大一番。ましてや4年に一度の五輪ならではの「重圧」が勝負に影響を及ぼしたことを葛西さんは指摘した。
結果、金メダルには届かなかったものの、その重圧の中で高いパフォーマンスを発揮したことを評価している。小林自身も「パフォーマンス的にはすごく安定したものを出せた」と納得のジャンプだったと話していた。
平昌五輪でのノーマルヒル7位、ラージヒル10位、男子団体6位からも大きく飛躍を遂げ、この4年間一緒に過ごしてきた葛西さんも小林の成長に喜びを隠せない。
「ジャンプもそうなんですけど、好きな選手のいいところを取り入れて、自分のものにしていく。そういうところも陵侑のすごいところですし。臨機応変に何でもできちゃうところが、陵侑の対応力というかすごいところですよね」
師匠・葛西以来の団体メダルへの挑戦
小林の挑戦はまだ続く。2月14日にはスキージャンプ男子団体が控え、3つ目のメダルの期待がかかる。
「歴史的瞬間にもう立ち会っているので、団体でもメダルを取ってもらって、いっぱいメダルを持って帰ってほしいですね」
団体でメダルを獲得すれば師匠・葛西さんらが銅メダルを獲得した14年ソチ五輪以来となる。師匠の大きな期待を胸に、愛弟子が“有終の美”を飾る。