小林陵侑のニックネームを世界に急募

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スキージャンプ男子ラージヒル決勝で、ノーマルヒルの金メダルに続き、銀メダルを獲得した小林陵侑、25歳。師匠・葛西紀明さんも現地で応援する中、惜しくも2冠とはならなかったが、スキージャンプの個人種目で2つ目のメダルを獲得、日の丸飛行隊としては24年ぶりの快挙となる。

今や世界のジャンプ界の絶対的中心に君臨する小林陵侑。そんな小林と葛西さんは同じチームに所属し、選手と監督として7年間苦楽を共にしてきた間柄だ。そこで、レジェンド葛西から愛弟子・小林陵侑に“愛の提案”を行った。

「ニックネームをつけてもらうとうれしいので、陵侑のもつけなきゃだめですね!ジャンプ週間も制覇してオリンピックで金メダルをとったとなるとやっぱり必要ですね!」

“レジェンド葛西”誕生秘話

レジェンドの提案とはニックネームの命名だった。そもそも葛西さんのニックネーム“レジェンド葛西”の誕生について葛西さんはこう明かす。

「もともと“神風”と呼ばれていたんですよ。10年ほど前ですかね、W杯を転戦していてスイスの大会のとき、スイスの記者の方に『あなたは450試合目ですよ』と言われて、『あー、そんなに出てたんだ』と言って、『あなたはレジェンドですね』と初めてそこで言われたんですよ」

ならば、フジテレビ「S-PARK」では各国の記者に総力取材。小林陵侑のニックネームを北京五輪のプレスルームで緊急募集した。

ポーランド人記者「BIGGEST」

まず、ポーランド人記者に聞いたところ、名付けたのは『BIGGEST』だった。

「小林はきっと葛西よりもビッグになるよ。葛西はレジェンド、小林はBIGGESTだね。彼はグレートだよ。小林なら歴史に名前を残すと思うな」

ドイツ人記者「LEGEND in 2030」

続いて、ドイツ人記者は師匠のニックネームを引用する形で『LEGEND in 2030』とした。

「葛西は間違いなくジャンプ界のレジェンド。誰もが敬意を示しているし誰もが知っている。小林も葛西に続く存在になれると思うけど、それは2030年のことだね」

ノルウェー人記者「ROCKET」

さらに、ニックネーム命名に飢えた世界の記者たちが続々と名乗りを上げる。ノルウェー人記者は『ROCKET』とした。

「まるでロケットのようなジャンプだ!彼は素晴らしい、感動的なジャンパーだ」

アメリカ人記者「SUPERNOVA(超新星)」

アメリカ人記者は『SUPERNOVA(超新星)』と表現した。

「小林にはカリスマ性を感じるね。とても力強さがあるんだ。爆発するようなね」

レジェンド葛西が命名『Mighty Roy』

そして様々なニックネーム候補が集まる中、師匠である葛西さん自らが小林陵侑のニックネームを命名した。「寝ないで考えた」という葛西さんが挙げたのは『Mighty Roy(マイティ ロイ)』だった。

「Mightyは強いとか、強大なという意味です。陵侑はとんでもなく強いのでストロングよりももっとかっこいい感じがいいなと思ってMightyにしました。おしゃれな感じもありますよね。そしてRoyが陵侑の略です。陵侑(Ryoyu)だと海外の方が名前が言いにくいじゃないですか。うちのチームに陵侑が入ってきたときに『お前のあだ名はRoy(ロイ)な』って決めていたんですよ。海外の選手もロイの方が簡単で言いやすい。外国の方は陵侑は言いにくいんですよ。それで、Mighty Royにしました」

小林陵侑は北京五輪の後も帰国せず渡欧。今季W杯は個人総合2位につけており、自身2度目の総合王座への戦いが続く。世界を相手に戦う愛弟子を思って命名した『Mighty Roy』。師匠の思いを胸に『Mighty Roy』は金メダリストとして再び世界へ飛び立っていく。