感染症外来に検査キットを回してほしい

連日多くの感染者が確認されているが、深刻なのは検査キットの不足。無料検査の陰で、肝心な医療機関に検査キットが届かないという状況が発生していることが、石川テレビの取材で明らかになった。

むらた小児科・村田祐一院長:
1箱に10回分入っていますけど、もうあと4回分ですね。(在庫は)簡易キットが12回分。あとは入荷待ちで、これをいかに有効に使うかということで今、頭を悩ませています

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石川県金沢市の小児科。

午前中は子どもと家族を対象にした感染症外来を開いているが、この2週間、抗原検査キットが届かない状況が続いている。

むらた小児科・村田祐一院長:
特に感染症外来をやっているところに(検査)キットを回してほしいんですけども、それが回ってこない現状を憂いています

これまで新型コロナウイルスに感染が疑われる患者には、駐車場の車内で抗原検査を行い、陰性を確認してから院内で診察を行っていた。しかし、今は検査キットが足りないため…。

むらた小児科・村田祐一院長:
こういう感じで、帽子もかぶります。完全防備で(外で)診察して、帰ってきたらこれを全部着替えます

全員に検査できず「みなし診断」も…県は把握せず

診察によって感染が強く疑われる場合も、全員に検査はできない。重症化リスクの高い人が受診してきた場合のために、キットを残しておかなくてはならない。

むらた小児科・村田祐一院長:
多分、この症状だったら「コロナだろう」と。重症化のおそれが低い、持病のない家庭の方にはもう「みなし診断」で対応してもらうことにしています

感染者の同居者が発熱した場合などに検査を行わず、医師が感染と判断する「みなし陽性」。石川県ではまだ導入されていないが、現場ではこのように深刻な状況になっている。

こうした状況を県は、まだ把握していないようだった。

石川県 健康福祉部・北野喜樹部長:
検査ができないというような大きな滞りはないと。滞りなく検査、あるいは診察ができているというふうに確認をしています

石川県 谷本正憲知事:
それができなかったら大変ですよ。医師が最終的な判断をできないということになるわけですから

村田医師はこう話す。

むらた小児科・村田祐一院長:
患者さんによっては「何でうちは(検査を)してくれないの」と言われて…。こんな状況だからと説明して、何とか納得していただいています。その説明がまた大変ですね

(石川テレビ)

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