子供の頃、一度は遊んだことがあるかもしれないドッジボール。
小学生スポーツとして静岡県内では16のクラブが切磋琢磨しており、静岡市に全国常連の強豪クラブがある。強さの秘密は、元体操選手の監督が考案したユニークな練習法だ。
幼児期の遊びが本格スポーツに
創部21年目を迎えた「ドッキーズ」。

小倉彩瑛アナウンサー:
ボールのスピードと動きが速い。隙がない。私が思っていたドッジボールと全然違う
クラブ創設のきっかけは「園児の遊び」と話す工島丈春監督。楽しそうに遊ぶ子供たちを見て、「本格的に教えてスポーツの喜びを教えたい」という思いを抱えていた。

ドッキーズ・工島丈春監督:
私が以前、幼稚園で幼児体育の先生をしていて。その時に幼児期のドッジボールが遊びとして盛んで

それを形にするため指導免許も取得し、約20年前に念願叶ってクラブを立ち上げ、いまや全国の強豪クラブに育て上げた。
上半身や肩、腕の力を鍛える
これまで全国出場は13回。2021年11月には全国優勝を果たした。他県もうらやむ強さの秘密は、子供の今後の成長につながるトレーニングに隠されていた。

さっそく練習にお邪魔すると、ボールを使うと思いきやフィジカル面が中心。逆立ちに、背中を跨ぐ“人間とび箱”。

その狙いについて工島監督は…。
小倉彩瑛アナウンサー:
ドッジボールとはかけ離れているトレーニングですね
ドッキーズ・工島丈春監督:
ドッジボールはボールを投げたり捕ったりする時、上半身の力が必要になってくるので取り入れています

小倉彩瑛アナウンサー:
これは何をしているんですか?
ドッキーズ・工島丈春監督:
これは人間跳び箱です。肩の力、腕の力でトレーニングとして取り入れています。そして脚力も必要になってきますから。体操を生かしたトレーニングです
元体操選手の経験にもとづく指導法
いきなりボールを使うのではなく、まずはドッジボールに必要な基礎能力を高めるトレーニングを取り入れていた工島監督。実は元体操選手だ。

過去にはインカレの出場経験もあり、関西の大学体操界で有名だった。
体操もドッジボールも全身を使う競技。だからこそ体操のトレーニングが生き、さらに小学校卒業後に別のスポーツに進んでも生かされると話す。

小倉彩瑛アナウンサー:
体操を生かしたトレーニングをしてみてどうですか
杉山皓飛選手(6年生):
足を鍛えているので、ターンをする時に足が疲れず動きやすくなりました
千葉渉夢選手(6年生):
腕の筋肉や背筋、足の甲など色々(筋肉が)つきました。自分が得意なのはコートの一番後ろから走り込むアタックで、足の力も腕の力も使って投げるところで生かせていると思います

ドッジボールで「人間力」を養う
小倉彩瑛アナウンサー:
これからドッキーズをどんなクラブにしていきたいですか?
工島監督:
ドッジボールを通して、自主的な取り組みができる人間力を養えたらいいです

強豪クラブで全国優勝を目指してきた向上心と、そして何よりこの期間に培った運動能力は、子どもたちが卒業後に他の競技を行う上でも大きな財産となるはずだ。
(テレビ静岡)