新型コロナ感染拡大の影響で1月2日以来27日ぶりのリーグ戦でも、「試合勘」は鈍っていなかった。現在、東地区5位の宇都宮ブレックスは敵地で西地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズを93対79で破った。

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試合開始早々に名古屋の齋藤拓実(26)に得意の3ポイントを許すも、宇都宮は直後からリングに果敢に迫った。新加入アイザック・フォトゥ(28)が連続得点でチームに勢いをもたらすと、大黒柱のジョシュ・スコット(28)も続くなど、「高さ」を活かしてインサイドを中心に攻め立て13連続得点。立ち上がりから24-12と宇都宮が2ケタのリードを奪い、ブランクを感じさせない試合運びをみせた。

後半第3クオーターは一転、リーグ最多得点を誇る名古屋に追い上げを許す展開に。それでも、白鷗大学出身のルーキーの荒谷裕秀(23)らが3ポイントシュートを決めて踏ん張った。

17点差で迎えた第4クォーターでは、再び齋藤拓実や名古屋の得点源のスコット・エサトン(30)を止められず、点差を縮められてしまう。一時は8点差まで詰め寄られた宇都宮だったが、ここでもスコットらがインサイドで得点し、リードを譲らず試合終了。93対79で逃げ切った。

宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチ(41)は「かなり久しぶりの試合だったが、試合がなくなっても選手たちが集中力を保って名古屋戦に向けて準備してくれたので出だしから自分たちのバスケットができた。ゲーム勘も思ったよりは鈍っていなかったと思う。1カ月ぶりでも体のコンディションはいい。ゲーム体力の部分でずっと100%で動き続けると乳酸が溜まって足が動かなくなるのが日頃よりは速かったのはあった」と振り勝った。

練習もできないチームもある中で約1カ月間、練習を怠らなかった宇都宮。「勝因はしっかり準備できたこと。名古屋は今季オフェンスもデイフェンスも流れが止まらない、すごく運動量が多いチームなので、そこに対しての準備をしっかりしてきた結果」と練習の成果を口にした。

一方、敗れた名古屋のショーン・デニスヘッドコーチ(52)は「相手がなぜ上位チームなのかを見せしめられた。相手をペイントエリアに入れないように臨んだが、インサイドの得点を与えすぎたのもあった。小さなチャンスはいくつかあったが残念ながらものにできなかった。苦しい状況の中で、いいレッスンになった」と次戦を見据えた。

名古屋79-93宇都宮
(29日・パークアリーナ小牧・1094人)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。