コロナ感染防止に欠かせないマスク。中でも、国が有効性を認めて推奨するのが不織布マスク。
改めて注目される中、鳥取・智頭町の企業が作る高性能な不織布マスクを取材した。

電子部品製造のノウハウでマスク製造

鳥取市内の薬局。マスクコーナーで大きな売り場を占める不織布マスク。布製やウレタン製のものより、飛沫の飛散や吸い込みを防ぐ効果が高いと国が推奨していて、イヌイ薬局では売上げが第5波収束時の2倍になるほど人気。

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中でも人気なのが、最近よくみかけるようになった折り目の少ないタイプ。

イヌイ薬局・大谷圭吾店長:
ウイルスや菌の対策・予防にこだわるお客が多い

売れ筋のこちらは、ウイルスの吸い込みを防ぐフィルターがついていて、価格より機能重視で選ばれているという。

こうした中…

本田航太記者:
不織布マスクの人気が高まる中、高性能な不織布マスクを開発したのは、智頭町の電子部品メーカーです

智頭町の企業、トミサワ。自動車や家電に使われる部品をつくる会社だが、そのノウハウを不織布マスク製造へ。

完成したのがその名も「極」。2020年10月から発売していて、すでに国内で100万枚以上を売上げている。(国内外150万枚)

その特徴は通常のマスクより1層多い4層構造で、飛沫の吸い込みを防ぐ。
製造はクリーンルーム。一切のほこりを遮断し、品質管理にこだわっている。半導体に代表される電子部品、自動車部品製造の設備が衛生管理の必要なマスク製造にそのまま転用できた。

大使館に寄贈したことで五輪選手団が着用

コロナ禍のビジネスチャンス。2020年8月には海外展開を目指し、タイ大使館にマスクを寄贈。
すると思わぬサプライズが…

タイ大使館にマスクを寄贈した様子
タイ大使館にマスクを寄贈した様子

株式会社トミサワ・林和久社長:
いやー、びっくりしました。まさか入場行進で使っていただけると思わなかったので。1つの誇りになります

東京パラリンピック開会式で、タイ選手団が「極」を着用。タイ大使館が選手団に渡したことで実現した。

株式会社トミサワ・林和久社長:
今後はタイを中心とした東南アジアに売り込みをかけていく。メイドインジャパンということで、商品の信頼性は認めていただいている

第6波で需要が高まる不織布マスク。鳥取発の高性能版は、海外からも注目を集めている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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