日中は「カフェ」、夕方からは「学習塾」。時間帯によって表情を変えるジョイントショップが長崎市内にある。
空き時間を有効活用する新たなスタイルの経営が、長崎でも始まっている。
「空き時間」を活用…2つの顔を持つ経営スタイル
この記事の画像(15枚)長崎市の新大工町バス停の前に、2021年12月にオープンした「biblio cafe DL」。
名前の通り、店内にはbiblio = 「本」がずらり。
白と木目を基調とした落ち着いた雰囲気だ。
ランチは、ハンバーグ中心のメニューで、一番人気は、チキンライスやドライカレーを包んだ「ライスinハンバーグ」。グラタンソースの上には、約10種類の野菜が彩りを添えている。
女性客:
熱いけどおいしい。つい、これを頼んでしまう
女性や家族連れを中心に人気を集めている。
家族連れ:
おいしいね~。ずっと気になっていて。きょう開いてるんだ!と思って、来てみました
夕方になると、受験を控えた中高生や小学生がやって来る。
木曜日と日曜日、祝日を除いて、午後4時以降は、店が学習塾に変わる。
「カフェ」と「学びの場」。2つの顔を持つ経営のスタイルは、最近、都心部でよく見られる。
コロナ禍でテレワークが多くなったことなどが背景にあり、学習塾の児童や生徒が来ない「空き時間」を活用する1つの方法だ。
「居心地のいい空間」に 授業は個別指導
もともと飲食店などを経営していたcafe担当の真由美さんと、塾講師だったshin先生がタッグを組んで、このスタイルを取り入れた。
Shin先生は、環境作りを大切にしている。
school担当 Shin先生:
勉強時間は増やせても、(環境が)変えられないと、なかなか自分なりの勉強が進まない。集中できないのが一番大きなハードル
school担当 Shin先生:
場所を提供してあげたい
室内に流れる音楽や、体への負担が少ない椅子は、カフェとしても学習塾としても、「居心地のいい空間」につながっている。
授業のない日も、月5000円で、午後4時から午後10時まで自習スペースを自由に使える。
生徒A:
家や普通の塾とも違うし、自分のやりたいことをアットホームな空間でできるのが、すごく気に入っている
授業は、子どもたち1人ひとりの自主性を伸ばすため、個別指導だ。
生徒B:
中学3年生です。温かくて何でも質問できるから、充実した勉強ができて、(Shin先生は)いい先生
経験生かし子どもをサポート…母親から相談も
cafe担当 真由美さん:
19日は?(最低気温)1度?カイロ持っていかないと。マフラー巻いて
cafe担当の真由美さんは、子育ての経験を生かして、塾に通う子どもたちをサポートしている。
カフェを訪れたお母さんたちから相談を受けることも。
母親:
「安心できる人に預けたい」とお母さんは誰でも思っているから、真由美さんもShin先生も安心できる雰囲気だなと
それぞれの得意分野を生かして、利用客や子供たちにとっての「第2の家」を目指している。
school担当 Shin先生:
夢が「寮をしたい」と思っていて、その1つのステップ。勉強するところ、というふうに思っていただくだけではなくて、「居心地がいいからここに来る」という場所を目指していきたい
居心地のいい空間を作ることで、塾に行くハードルをなくし、学校に馴染めなくて悩んでいる子の居場所にもなれば…
2人はそう願っている。
(テレビ長崎)