スピードスケートのショートトラックでオリンピックに初出場する、長野・茅野市出身の小池克典選手。
原点は校庭リンク。家族や地元の声援を受け、憧れの大舞台に挑む。

校庭リンクが原点

金沢小学校の校庭リンク(1986年撮影)
金沢小学校の校庭リンク(1986年撮影)
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茅野市立金沢小学校の「校庭リンク」。65年もの歴史があり、授業やクラブで多くの児童が滑ってきた。
そして、金沢小出身者の中から、ついにオリンピック代表選手が誕生した。
スピードスケート・ショートトラックの小池克典選手(21)だ。

2021年12月、オリンピックの代表選考を兼ねた全日本選手権に出場。

(実況)
さあ、小池!見事優勝!

男子500メートルで優勝し、残り一枠となっていた代表の座をつかみ取り、初出場を決めた。

小池克典選手(21):
結構ギリギリのラインにいたのは自分でわかっていたので、どうなるかなって感じでいたが、決まったときはすごいうれしかった

校庭リンクを訪れた小池克典選手
校庭リンクを訪れた小池克典選手

練習に励んだ金沢小の校庭リンク。小池選手の原点だ。

小池克典選手(21):
すごい懐かしい感じがあります。毎年、たくさんお世話になりました

姉の影響から、3歳のころにショートトラックを始めた。他の子に比べ小柄だったが、その負けん気の強さで…

(会場アナウンス)
3位、小池克典。選手の皆さん、おめでとうございました

母・利江さん:
初めてのメダルです

力を伸ばしてくれた校庭リンク。当時は純粋に滑りを楽しめていたと言う。

校庭リンクで滑る小池選手(中央・先頭)
校庭リンクで滑る小池選手(中央・先頭)

小池克典選手(21):
(小学校の大会で)6年生の時に、リレーで他のメンバーと一緒に歴代の先輩の記録を塗り替えられたんで、すごいうれしかった。普通に生活しているだけでは、滑るっていう感覚はなかなか味わえないので、それを小さい頃は楽しんでやっていたのかなと思います

思い出した「楽しむ感覚」

中学、高校と競技を続け、2018年には世界ジュニア選手権の男子3000メートルリレーで優勝。
しかし、次第に国際大会では思うような結果が残せなくなった。

小池克典選手(21):
海外の選手との差を肌で痛感したというか、現実を突きつけられて心が折れかけていて

初めてぶつかった壁。もがきながら競技を続ける中、意識したのは校庭リンクで滑っていた頃の「楽しむ感覚」だった。

小池克典選手(21):
それまでは結構、勝ちにこだわりすぎていて周りが見えないことがあったので、スケートを楽しもうという初心の気持ちを忘れないよう心掛けるうちに、どんどん自分の思うような滑りができたりとか、良い方向に行きました

壁を乗り越えて、つかみ取った五輪の切符。

地元の後輩・恩師は…

スケートクラブの6年生:
金沢からすごいたくさんの選手が出ているけど、オリンピック選手がなかなか出ていなかったのですごくうれしかった

茅野市スケート協会・池上泰司会長:
小学校1、2年の頃から大会で1位、2位と、非常に有望な選手だった。地域の励みになるし誇りに思う。ここの小学生が、また克典君みたいに世界に羽ばたく選手になれば

「欲張らず、自分を信じて」

元日の午後、小池選手は母の利江さんと諏訪大社上社本宮に初詣に行った。

小池克典選手(21):
健康第一を願ってお祈りしました。
(Q.五輪については?)
そこはそんなに欲張らずに、まずは健康第一というところで。
(Q.神頼みではなく自分を信じて?)
そうですね

母・利江さん:
私は欲張りなので、金メダルをと。勝負の神様にぜひお願いしたいと、親は神頼みでお願いさせていただきました。とにかく相手に負けず勝ち抜いてこいと、応援してます

小池克典選手(21):
(母に)毎日、送り迎えとかしてもらったりして、それがなかったら今の自分はなかったなって思っているので、非常に感謝しています

境内で後輩の保護者と遭遇…

後輩の保護者:
やったじゃん。思い切って楽しんどいで

男子ショートトラックのオリンピック代表は、小池選手を含め4人。個人種目は国別の枠があり、全員が出場できるわけではないが、5000メートルリレーは4人全員が出場。

小池選手は県内で調整後、いよいよ1月30日、北京に入る。

小池克典選手(21):
リレー種目でのメダル獲得を目標に頑張っていきます。周りにすごい応援してくれる人がたくさんいるので、その人たちのためにもメダルをとってきて見せてあげられたらなと思います

(長野放送)

長野放送
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