コロナ病床は16床 高齢者の感染増加に懸念

爆発的な感染拡大が引き起こす人出不足が、医療現場に深刻な影響を及ぼしている。沖縄県内の病院からは「医療崩壊」を懸念する声が強まっている。

友愛医療センター 西平守邦医師:
病床としてはコロナ診療だけじゃなくて、一般診療の方で働けるスタッフが減っていますので、そういったところで一般病棟としてのひっ迫が出てるのが、第6波現在の特徴なのかな

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豊見城市の友愛医療センター。16床確保している新型コロナ患者専用の病床は、1月14日の時点で15床が埋まっている。今のところ重症の患者はいないが、感染が徐々に高齢者にシフトしつつあることに危機感を募らせる。

友愛医療センター 西平守邦医師:
高齢者はワクチンの効果も切れているということと、基礎疾患を持っている方が増えてくる年齢でもありますので、コロナに感染するとある程度重症化する、もしくはコロナ診療中に別の肺炎を合併したりとか、医療が必要な程度が増えてくる可能性が十分あると思っています。そういった意味では、病床をある程度占有します

一部の医療行為を制限 ”ギリギリの状態”

友愛病院でも、感染したり濃厚接触者となったりしたことで、仕事を休まざるを得ない職員が数十人に上っていて、不急な手術を延期したり、リモート診療を取り入れたりするなど、一部の医療行為を制限して新型コロナに対応するスタッフを補っている。

友愛医療センター 西平守邦医師:
職員もギリギリの所で診療を維持しているという状況です。短期的にはなんとか踏ん張れるというところではありますが、これが長期化してくると、県のフェーズが上がって病床を増やすニーズが出てきたとしても、当院としては恐らく県のフェーズにあわせた病床の確保(増設)は不可能かなと思います

県内の多くの医療機関が、人手不足を理由に救急診療などを制限しているため、患者の受け入れを求めて他の地域から運ばれてくる事例も相次いでいる。

医療崩壊に近い状況に向かう可能性、ゼロじゃない

友愛医療センター 西平守邦医師:
通常、この時期というのは心筋梗塞、脳梗塞、脳出血とか、ただでさえベッドが埋まりやすい時期になっている。その中でコロナの診療もしなきゃいけない

適切なタイミングで適切な治療を受けることができない医療崩壊は、目の前に迫っている。

友愛医療センター 西平守邦医師:
長期化してくると、僕たちの疲弊だけでなく、県民の健康そのものが恐らく維持できない状況を迎える可能性があります。この数が進むと、崩壊に近い医療逼迫から崩壊に近い状況に向かう可能性はゼロではない

(沖縄テレビ)

沖縄テレビ
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