「オミクロン株」 初の感染確認は11月30日だった

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」が日本でも広がりを見せている。オミクロン株が国内で初めて確認されたのは11月30日。成田空港に到着したナミビア外交官の男性が空港検疫で新型コロナの陽性と判明。ゲノム解析の結果、オミクロン株と確認された。

政府が、全世界からの外国人の入国を原則停止することを決めるなど、警戒を強めていた矢先だった。政府はスピーディーに動いた。その日の夜には、航空機に同乗していた乗客全員を濃厚接触者と認定。宿泊施設での待機などを求めるなど対策を強化した。

後藤厚労大臣が、「オミクロン株」が初めて感染確認されたことを明らかにした(11月30日)
後藤厚労大臣が、「オミクロン株」が初めて感染確認されたことを明らかにした(11月30日)
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「オミクロン株」感染確認で混乱露呈

一方で、12月2日には、政府が航空各社に対する国際線の新規予約停止要請をわずか3日で撤回するなど、水際対策での混乱ぶりも露わになった。「オミクロン株」の国内での確認は、12月1日から医療従事者を対象に開始された3回目のワクチン追加接種にも混乱を引き起こした。

空港検疫でのオミクロン株の感染例が相次いでいる
空港検疫でのオミクロン株の感染例が相次いでいる

政府は3回目接種は2回目接種から「原則8カ月以上」としていた。しかし国内でオミクロン株感染者が確認されたことを受け、日本医師会や全国知事会のほか、自民党などからも前倒し要求が相次いだのだ。

岸田首相は12月6日の所信表明演説で「8か月を待たず、できる限り前倒しする」と表明したが、後藤厚労大臣は「ワクチンは順次輸入されるもので、全国民を対象に接種の前倒しを一律に行うことは困難」と強調。最終的には12月17日に、医療従事者や、重症化リスクの高い高齢者施設の入居者など、対象を絞った形で前倒しのスケジュールを示すこととなった。

岸田首相は所信表明演説で、接種基幹「前倒し」を表明した(12月6日)
岸田首相は所信表明演説で、接種基幹「前倒し」を表明した(12月6日)

”市中感染”も相次ぐ中 「切り札」も

「感染力が強い」とされるオミクロン株は12月22日には大阪で初めての市中感染が確認された。市中感染はその後も相次いで判明し、京都、東京、福岡、愛知、広島など、各地に広がっている。

そんな中、新型コロナに立ち向かうための新たな「武器」も登場した。厚生労働省は12月24日、アメリカの製薬大手・メルクが開発した新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」を特例承認した。後藤厚労大臣は「切り札になり得る」とその意義を強調した。

モルヌピラビルが投与される対象は、18歳以上で、発症から5日以内の重症化リスクがある軽症から中等症の患者。1日2回、5日間服用するとされている。

メルクの飲み薬「モルヌピラビル」が特例承認された
メルクの飲み薬「モルヌピラビル」が特例承認された

胎児に影響が出る恐れがあるとして、妊娠中の女性は服用できない。臨床試験では入院や死亡のリスクを30%下げる効果が確認されたという。重症化を防ぐ飲み薬は初めてで、自宅で服用できることや病院での管理のしやすさから、医療の負担軽減につながることが期待されている。

飲み薬をめぐっては、ファイザー社の「パクスロビド」が日本でも近く承認申請される見通しだ。また塩野義製薬も、開発中の飲み薬について「オミクロン株にも有効性が期待できる」として早期の承認申請を目指しながら、すでに治療薬の生産を開始。2021年12月末までに10万人分、2022年3月までに100万人分を生産するとしている。

「オミクロン株」の正体を早期に解明できるかが、2022年の”カギ”となる
「オミクロン株」の正体を早期に解明できるかが、2022年の”カギ”となる

オミクロン株は「未知のリスク」 正体を解明できるか

「未知のリスク」として警戒が続くオミクロン株が国内で初めて確認されてから、およそ1カ月。各国からは死亡例がなく、軽症が多いという報告も見られるが、いまだにその正体ははっきりとしないままだ。

新年を迎えて、政府は、水際措置の強化などを継続する方針だが、一刻も早いオミクロン株の正体解明が求められる。

(フジテレビ社会部・厚労省担当 空閑悠)