みんなピンピンしているわけじゃない
「我々備える側としては気を緩めずに対応していくしかないと思ってみています」 東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議後に、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は新たな変異ウイルス「オミクロン株」について、1・ウイルスそのものが変化してうつしすくなっている。2・従来のワクチンで出来た免疫をかいくぐって感染させるリスクが高いという二つの可能性を示した。

「みんながみんなピンピンしているわけじゃなくて、酸素も必要になる方がいる」 さらに大曲氏は、地域の限られた病院のデータと前置きしたうえで、オミクロン株で重症化した人も、と明らかにし対応を進める考えを示した。
3世代同居の家庭内クラスターも
モニタリング会議の中で、感染状況について警戒度が4段階で最も低い「緑」との分析が示された。 新規感染者数の7日間平均は前回の17人から今回は16人で、低い水準で横ばいとなったが、8日には3世代同居の家庭内で、祖母、父母、孫2人の、合わせて5人が感染するクラスターが確認されている。

都の担当者は5人がワクチン接種を受けていたかは分からないとした上で、「寒くなると換気がしづらくなるが定期的な換気を」「家庭内では、一度持ち込むと感染が広がりやすいので基本的な感染予防対策を徹底してほしい」と注意を呼びかけていた。
「オミクロン株」個室隔離も
「今情報をいろいろ集めまして、次の感染が拡大するんでしたら、その対応を怠りなくしていこう、と」 医療提供体制も最も警戒度が低い「緑」との分析だったが、東京都医師会の猪口正孝副会長は感染拡大に備えた体制整備や「オミクロン株」の感染者の個室隔離など入院医療体制の確保が必要、と警戒感を示した。

ブレイクスルー感染 症状出にくいが 他人にうつすことも
「新規陽性者に占める2回接種者の割合は徐々に増加してきています」 8月以降、新規感染者数は少なくなっているものの一定数のブレイクスルー感染が起きている、との分析が示された。 特に、高齢者でその傾向がはっきりとしている、とのこと。
東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は、ブレイクスルー感染は発熱や倦怠感などの症状が出にくいけれど感染すれば他の人にうつすこともある、として日々の感染予防対策を引き続き徹底するよう呼びかけた。

夜の街 22時以降に中高年が増加
11月後半から夜の街の人出が急増していて、12月に入ってさらに増加傾向が顕著となっている、との分析が示された。 特に、中高年層を中心に22時から24時の深夜帯の増加が目立っているという。 年末にむけて忘年会などの際は、飲食時以外はマスクを着用することなどが呼びかけられた。
我が国はトップクラス
「我が国は世界でもトップクラス」 小池知事は日本のワクチン接種率の高さを強調するとともに、基本的感染予防対策の徹底と3回目接種を進めるよう呼びかけた。 オミクロン株の“正体”がはっきりと分からない中、やはり自分の身を守るのは自分しかない。
