10月に開幕したWリーグは7週目を迎えた。
皇后杯2次ラウンドを挟んで迎えたこの週、ENEOSサンフラワーズはプレステージ・インターナショナル アランマーレと対戦。
12月4日(土)のGAME1は87-68、12月5日(日)のGAME2は78-66で2連勝、ここまで11勝1敗となっている(12月5日現在で3位)。
ENEOS主将・岡本、通算300試合出場、3000得点達成

キャプテンの岡本彩也花選手。Wリーグではベテランと言われる年代になったが、彼女の運動量にはいつも驚かされる。
ENEOSが長年徹底しているプレースタイル「ディフェンスからのブレイク」(激しいディフェンスから速攻に持っていく)というものを確実に体現しているひとりだ。
マイボールになった時、彼女の姿はもうすでにフロントコートにある。さらには、彼女の持ち味である3ポイントシュートを勝負どころで決めたかと思うと、激しいディフェンスで相手にプレッシャーをかける。誰よりも走り、一切手を抜かない。
12月4日に通算300試合出場、5日に通算3000得点を達成した。
4日の試合の後には会場で「ここまで来られたのは皆さんのおかげです」と話し、「今日より明日、明日より次の試合に繋げられるように」と前向きなコメントを残した。このマインドも、彼女の魅力のひとつである。
渡嘉敷の復活!代表組の牽引・若手の活躍、ポイントは?
その岡本選手と桜花学園高校時代から一緒のチームでプレーするのが渡嘉敷来夢選手。
昨年の12月に右膝の前十字靭帯を断裂し、このレギュラーシーズンが復帰の舞台となった。ここまで1試合の平均得点は20点、リバウンドは11.8本と、大黒柱は健在だ。

私はこのレギュラーシーズン、Wリーグ配信の実況をしており、ENEOS戦の担当をすることが多い。
この岡本選手と渡嘉敷選手の合わせのパスを「岡本と渡嘉敷のホットライン」や「桜花ライン」と形容し、呼ばせていただいている。阿吽の呼吸でばっちり決まるプレーは何度観ても鮮やかだ。
東京オリンピックで活躍した林咲希選手や、この週は欠場となったが東京オリンピックそしてアジアカップ代表メンバーの宮崎早織選手も、安定したプレーでチームを引っ張る。
そしてこのアランマーレ戦、GAME1では20得点、2では18得点の活躍だった奥山理々嘉選手や、成長著しく期待がかかる藤本愛瑚選手は今季プレータイムを伸ばしている。
宮崎選手不在の中、スターターの役割をしっかり務めた高田静選手や、アジアカップ代表メンバーの中田珠未選手などの若手の躍動が、今シーズンのひとつのポイントとなるだろう。

指揮官には佐藤清美ヘッドコーチが3シーズンぶりに復帰した。昨年はファイナルでトヨタ自動車アンテロープスに敗れたENEOS。2008年から在籍し、チームを知り尽くしているであろう佐藤ヘッドコーチの采配にも注目したい。
「アランマーレ」秋田から東北初のWリーグ参入
プレステージ・インターナショナル アランマーレは、2015年に設立されたチームで、秋田県秋田市を活動の拠点にしている。

Wリーグへの新規参入は17年ぶり。また、東北地域からは唯一の参加となる。指揮を執るのは、小嶋裕二三ヘッドコーチ。
デンソーアイリスで9シーズンヘッドコーチを務めた小嶋氏が、どういうチーム作りをしていくのか期待が高まる。

ここまで勝利のないアランマーレだが、ENEOS戦では前半まで一桁差と、粘りを見せた。
この週はWリーグ経験者の平松飛鳥選手と佐藤ひかる選手が帯同していなかったが、2日連続で2桁得点、沖縄県出身の砂川夏輝選手の活躍が光った。
砂川選手と同じく沖縄出身でルーキーの嘉陽梨佳子選手、インサイドの要となる河瀬ひとみ選手、果敢な攻めを見せていた久岡真歩子選手や小澤彩佳選手、田中陽子選手など、全員バスケで今季初白星を掴みたいところだ。
皇后杯のファイナルラウンドが行われるため、レギュラーシーズンは2週開くことになる。
12月25日(土)にENEOSはアイシンウィングスと、アランマーレはトヨタ自動車アンテロープスと対戦する。