2020年7月に福島・三島町に開設された「奥会津在宅医療センター」。三島町中心部の古民家を活用した施設で、県立医大の支援を受けて三島町や金山町など4町村で医療を提供している。
行っているのは、医師や看護師が患者の自宅を訪ねてまわる訪問診療と訪問看護。

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地域を支える「家にやってくる」病院

この日、医師たちが訪れたのは93歳の長谷川國雄さん。肺を患い、車で20分ほどかかる隣町の病院に入院する予定だったが、自宅での治療を選んだ。

鎌田一宏医師:
体はどうですか?調子は?

長谷川國雄さん:
調子は最高です

高齢者にとって入院や通院は大きな負担で、住み慣れた自宅で診療などを受けられるメリットはとても大きなものがある。この日の診療では、インフルエンザのワクチンも接種も行った。

長谷川さんの長女・りつ子さん:
安心です。高齢ですので、何かあった場合はどうしようかなっていつも思っていたんですけども、電話したらすぐ来てくださいますし

センターがカバーする4町村の高齢化率は5割を超えていて、福島県内で最も深刻な金山町は約6割に上る。
開設から1年4カ月、訪問診療などの登録者は右肩上がりに増え続けていて、新たな医療提供体制が地域の高齢者に定着しつつある。

奥会津在宅医療センター・鎌田一宏医師:
病院にいる時よりも丁寧に話も聞けるし、しっかり診察も取れるんですよね。困ったらまず相談、しかも顔がわかる相手が出てくれるというのは、やっぱり一番安心かなと思いますね、住民の方だと

看取りも支え、地域に寄り添う

24時間365日。休みなく患者を見守るセンターでは、人生の最期を自宅で迎える「看取り」も支えている。

福島・三島町の小柴ヨシノさん。2021年4月。夫の修一さんを自宅で看取った。末期のがんを患っていた修一さんは、会津若松市の病院などで入院生活を送るなかで故郷への思いを募らせていた。

小柴ヨシノさん:
やっぱり「家に帰りたかった」って。医療センターの看護婦さんたちの援助を受けて、これだと自分ひとりでなくてお父さんを連れてこれるなと思って

「住み慣れた自宅で天寿を全うしたい」という患者や家族の希望を叶える「看取り」の支援。
修一さんは、子どもや孫に見守られながら最期を迎えることができた。

小柴ヨシノさん:
家族の看取りがなかったら、私は悔いが残ると思ったの。お父さんに対する気持ちもあるし、自分としてもそれで良かったなと思います

センターは自治体と連携しながら、病気の予防にも力を入れている。地元・金山町出身の医師などが講師となって、病気や感染症の予防法を説明する。

参加者:
わかりやすく説明してくださって、本当によかったとおもいます

奥会津在宅医療センター・押部郁朗医師(金山町出身):
地元に恩返しができるということがすごく嬉しくて、自分がやりたくてやっているだけの仕事といえばそうかもしれないんですけれども、感謝されるということが何よりも代えがたい

医師と看護師などのチームが機動的に医療を提供する「自宅にやってくる」病院。
高齢化がますます進むなか、地域の高齢者の命と健康を見守る。

奥会津在宅医療センター・鎌田一宏医師:
困っている方がいるからこそ、そこを逃げずに一緒に病気と付き合っていく、地域と付き合っていくという気持ちと覚悟でやっていますので。それも住民の方たちに常に支えられているんですけれども、引続き頑張っていきたいと思っています

(福島テレビ)

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