長野・佐久市に岩石や鉱物を研究する高校生がいる。知識や経験は、子ども向けの採集ツアーで講師を務めるほど。自慢のコレクションも見せてもらった。

「鉱物採集バスツアー」の講師は高校2年生

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夢中になって岩石や鉱物を探す子どもたち。「いい石の日」(11月14日)に合わせて、佐久市子ども未来館が開催した「鉱物採集バスツアー」だ。
(※地権者に許可を得て実施)

 

講師・田代新さん:
マグマが地下から上がってくるときに熱水を運んでくる。その熱水がしみ込んだ、非常に固い岩石

説明するのは田代新さん(16)。独学で岩石や鉱物を研究している、岩村田高校・通称「岩高」の2年生だ。

高校生ながら、知識と経験を買われツアーの講師となった。

講師・田代新さん:
やばい、これはすごい

黄鉄鉱

黄鉄鉱を発見!

講師・田代新さん:
ただの「きれいな石」だけじゃなくて、これからラベルを作るんですけど、(地質を知るための)標本とか資料として活用できるものになれば

小学3年生から岩石や鉱物に興味…佐久市でのめりこむ

東京出身の田代さん。岩石や鉱物に興味を持つようになったのは、小学3年生の頃にさかのぼる。

田代新さん

田代新さん:
ゲームの中で「金の延べ棒」っていうアイテムがあって、どういうふうにできているか調べたら、YouTubeで(金を)採掘している動画に行き当たったんですよね。それを見て自分でも採りたくなってきて、そこからは山に行ってみたりして、気がついたらこんな感じになってました

3年前、父親の仕事の都合で佐久市へ。フィールドワークに持って来いの環境で、岩石・鉱物の研究にさらにのめりこむようになった。

自宅にはたくさんの自慢の採集品が…

自宅の部屋の棚には県内外で採集した岩石・鉱物が並べられていた。その数は約40種類・600個に及ぶ。
(※地権者などに許可を得て採集しています)

田代新さん:
分からない鉱物があって、鉱物や岩石の種類とか、それを調べるのがすごく楽しい

佐久穂町で見つけた水晶

こちらは、お気に入りだという大きな水晶。佐久穂町で見つけたものだ。

田代新さん:
すごく、かっこいいですよね。形が特徴的だと思うんですけど、ジャカレー(ポルトガル語でワニ)水晶というタイプで、調べたらワニの背中に似てる(から名付けられた)とか

休日は観察や採集…「楽しい時間」

父・到さん(右)

父・到さん
ときどき(群馬県)下仁田まで(採集に)自転車で5時間みたいな時もあったりして…。好きなことを好きなように、楽しいんだったら突き詰めていけばいいんじゃないか

高校では卓球班に所属している田代さん。岩石・鉱物の研究は独学で、休日は近くの山へ観察に出かけるのが定番の過ごし方だ。

この日は佐久穂町へ…

この日は佐久穂町の鉄鉱石の採掘跡へ…

田代新さん:
鉱山で採掘するときって、不要な石があるじゃないですか。そういうのを捨てていたんで、山の斜面に(鉱物が)たくさん見られるんですよ

この日は、マグマと石灰岩が反応してできる「柘榴石」や、鉄と硫黄からできた光沢のある「黄鉄鉱」を観察。

気が付けば2時間以上が経っていた。

田代新さん:
楽しくなかったら、こんなことできないですよ(笑)

熱心さや知識が地域で話題に…「田代コレクション」の展示も

田代さんの熱心さやコレクションはやがて地域でも話題となり、この春から子ども未来館で、集めた鉱物の一部が「田代コレクション」として展示されている。

「田代コレクション」

今回のツアーでも「ぜひ講師に」と声がかかった。

佐久市子ども未来館の館長・なおやマンさん:
最初は、石をいっぱい集めている高校生かなと思っていたんですけど、すごく詳しくて専門的。こんな鉱物があるんだとか、こんな土地に住んでいるんだとか、再発見させてもらえる。
(採集ツアーは)子どもたち自身から、問い合わせの電話が何本もかかってきたりして、待ち望まれたイベントだった

「新しい発見したい!鉱物の楽しさ伝えたい」将来は研究者に…

14日のツアーには小中学生15人が参加。定員がいっぱいになる人気ぶりだった。
田代さんの案内で山を登り、採集開始。子どもたちの質問に的確に答えていく。

小学5年生:
これ石英の塊だよね

講師・田代新さん:
岩石に石英の成分がしみ込んで固くなった石

採集は予定を30分オーバーして、約2時間半に及んだ。

小学5年生:
見たことない石があって楽しかった

中学1年生:
キラキラしているし、石ひとつひとつに個性というか、いろんな形があるのが面白い。(田代さんは)頼もしいな、いろんなこと知っているなと

採集した鉱物はきれいに磨き、「田代コレクション」の横に展示された。

岩石・鉱物へのあくなき探究心。田代さんは将来、研究者の道に進みたいと話す。

田代新さん:
答えがないじゃないですか。自分がこうだと思っていても、違う鉱物だったり、どんどんそういうのを突き詰めていくのが楽しい。新しい発見をしてみたい。知らないことを知りたいです。鉱物の楽しさをみんなに伝えられるような研究者になりたい

(長野放送)