これまで日本人のルーツは、日本列島に住んでいた縄文人と、大陸から渡ってきた弥生人が交流して現代日本人につながったとされていた。
しかし、9月に金沢大学などの研究チームにより、もう1つ新たなルーツが発見された。
(Q.顔の特徴で何か言われたことはありますか?)
街の人:
目が大きいは、よく言われます
街の人:
塩顔だねとは言われたことあります
目の大きさや鼻の高さなど、人間の顔にはそれぞれ特徴がある。
そんな人間の顔について研究している人がいる。
金沢大学・覚張隆史助教:
大陸の遺跡から出土する古い人骨や、現代の人類集団のDNA配列を比較して、過去の日本列島に住んでいた人たちが、どういう遺伝的なつながりがあったのかを評価した
金沢大学の覚張隆史助教は、15年前から人間の起源について研究している。
そのきっかけは、意外なことだった。
金沢大学・覚張隆史助教:
昔からいる馬がいて、“在来馬”というんですが、その馬がどこから来たかという起源の研究に強く興味を持って。馬が来たというのは、人が連れてきているわけなので、人がどういう風に入って来ているのかを議論しないと、馬の文化が正式に語れない
馬の起源を探るにはまず人間から。それから覚張助教は、人間の起源についての研究を始めた。
現代日本人の特徴に一番近い? 新たなルーツ“古墳人”
これまで現代の日本人は、顔に凹凸があり彫りが深い、いわゆる濃い顔立ちの先住民・縄文人と、北東アジアの大陸から渡来した、のっぺりとした薄い顔立ちの弥生人が交流して生まれたと説明されていた。
しかし、今回の研究で縄文人、弥生人とは違う、新たなルーツが発見された。
金沢市で見つかった人骨は、約1500年前の古墳時代の人骨だ。この人骨から、現代日本人の新たな遺伝的な特徴が見つかった。
金沢大学・覚張隆史助教:
今回見つけた1つのポイントは、古墳時代の人たちのゲノム配列が、弥生時代の人と遺伝的に異なった特徴を持っている。私たちは、“古墳人”と表現している
縄文人に続き、大陸から渡ってきた弥生人。その後、古墳時代に東アジアからやってきた集団の古墳人。その3つが、現代日本人の祖先である可能性があるという。
今回新たに見つかったルーツ、古墳人。
金沢大学・覚張隆史助教:
弥生人と似たような、のっぺりしたのが特徴で、薄い顔。縄文的な要素が下がってきている。女性も古墳人の方が、より薄い、のっぺりした顔立ちになっている
また、その古墳人が今の日本人の特徴に一番近いという。
金沢大学・覚張隆史助教:
(現代人は)割合としては、古墳人と定義した人たちの影響が非常に大きい。半数まではいかないが4割…ほぼ半数ですね
あのアナウンサーの顔への”判定”は…
そこで今回、覚張助教に特別なお願いをした。
(Q.先生に現代人の写真を見ていただいて、「こっち寄りの顔なんじゃないか?」など教えてほしい)
金沢大学・覚張隆史助教:
(石川テレビ・稲垣真一アナの顔は)少しのっぺりしている部分もあるので、弥生人以降の薄い顔立ちではないかと。部分的に見ると、少し彫りが深い部分もあるので、縄文人と弥生人の混合かな
続いて、向山侑希アナウンサーの顔を見てもらった。
金沢大学・覚張隆史助教:
お顔も凹凸がありそうなので、縄文人の雰囲気が出ているのかなと。ちょっと濃いようなイメージ
ちなみに谷本正憲知事の顔は?
金沢大学・覚張隆史助教:
復顔の中でどれが一番近いかというと、古墳人の顔立ちに近いように見える。凹凸が少なくて、少し薄めの顔立ちかなと
今回新たに浮かび上がった日本人のルーツ。覚張助教によれば、今後研究が進むにつれ、さらなるルーツが見つかる可能性もあるという。
金沢大学・覚張隆史助教:
現代人の遺伝的な要素には、縄文時代の人たち、弥生、古墳の3つの要素が入っている。ただ、その3要素だけでなく、多様な要素が複雑に絡み合って現代日本人が生まれた可能性も残されている。今後も研究を継続していけたら
毎日の生活で必ず目にする自分の顔。あなたの顔は何人顔?
(石川テレビ)