沖縄県那覇市繁多川にある長堂豆腐店は、2021年で創業95年。時代が移り変わろうとも受け継いだ味を守り、豆腐作りに向き合い続ける男性の姿を取材した。

大豆と塩の甘みを大切に…豆腐作りにひたむきな3代目

早朝5時、那覇市繁多川にある長堂豆腐店。

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長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
豆腐があがる瞬間って一瞬だから、その一瞬を逃したら全部パーになってしまう

3代目の長堂茂さんは、先代から受け継がれた昔ながらの製法で豆腐作りを続けている。

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
口に入れた時の大豆の甘味、塩の甘味、それを意識するように作っている

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
お客さんにどういうのに使いたいって言われたら、まず自分だったらどのようにして調理するかなと、ある程度イメージして。例えば食堂の注文を受けても、どれくらいの豆腐の固さが美味しいかなって。豆腐チャンプルーを作ったり、自分で料理しながら「今日のはいいくらいだなー」って

豆腐作りを初めて43年の茂さんは、大豆の風味が最大限引き立つその瞬間を逃さない。丁寧にアクを取り除きニガリと塩を入れると、豆腐が炊きあがる。

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
分離してきたのわかる?これが、ゆし豆腐。昔、ばあちゃんたちが言ってた「豆腐が生れたよー」って

先代の味を1人で守り続ける「豆腐作り伝えたい」

長堂豆腐店は、1926年(大正15年)に茂さんの祖母・長堂カマドさんが始めた。

かつては50件以上の豆腐店が並び「豆腐の里」と呼ばれていた那覇市繁多川。しかし、その数は現在、長堂豆腐店を含め3軒まで減った。

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
親と3人でやっている時は、まちやぐゎー(小売店)から30件以上注文を取っていたから、5つの鍋を朝と午後で2回転させていた。平均4時間睡眠があればいい方。自分も若いから体が持っていたけど、今考えたらよくできていたなって

親から店を受け継いで10年、茂さんは先代から変わらない豆腐の味を1人で守り続けてきた。

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
ばあちゃんが使っていた石臼、今は重しになっています

豆腐を型に流し込み圧力をかけ、また豆腐を流す。この作業を何度も繰り返す。できあがった自慢の豆腐がこちら。

お客さん:
いつも公民館の職員用に買っていて、とっても美味しいです。やっぱりスーパーで買う豆腐とは全然違うので。みんなここの豆腐がお気に入りですね

長堂豆腐店 3代目 長堂茂さん:
一時期だいぶ落ちた時もあったけど、地域の皆さんに助けられてやっている。やっぱり地域密着は大事かなと思っている。これを残すかって言ったら、見ての通り仕事厳しいからそういうのは…。もう同じ時代に生きた人たちが、自分の豆腐を食べてもらえればいいかなとも思いますが、豆腐作りを教えないっていうことは考えていない。できればいろんな人に豆腐作りを伝えたい

茂さんは、もし豆腐作りを習いたい人がいれば、ぜひ来てみて下さいと話していた。

(沖縄テレビ)