日常で使用している物は当たり前のように右利き用なものが多く、左利きの人は不自由さを感じているだろう。

そのような中、株式会社ランチが運営する左利きの人向けの商品を中心に扱う「左ききの道具店」から“左手で書く人のための手帳”「左ききの手帳2022」が9月12日に発売された。

提供:左ききの道具店
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人口の約10人に1人は左利きと言われているが、日常で使う多くの道具の大多数が右利きに合わせて作られていて、手帳もそのひとつである。毎日使う手帳は自分の利き手に合ったものを使いたい。その思いを形にするために2019年から発売している手帳だという。

手帳には左手で書きやすいように多くの工夫がある。例えば、日付は書く手に隠れないよう、全てのカレンダー(年間・月間・週間)において右上に配置している。

提供:左ききの道具店

また、通常の手帳は左側に1週間の予定を書くスペースがあるが、左ききの手帳では“週間ライト式”で右ページにスケジュール、左ページにメモスペースがあり、予定を見ながら左手でメモが書けるようになっている。

提供:左ききの道具店

そして、左手の親指で目的のページをパラパラと探しやすいように右開きになっている。

提供:左ききの道具店

ラインナップは、オリジナル版B6サイズの3色(グレイッシュベージュ・ネイビー・ライトブルー)と、今回から「UNDATED」日付記入式が新しく加わった。カラーはダークブラウンのみ。

提供:左ききの道具店
UNDATED(提供:左ききの道具店)

価格は、2800円(税込)。本体のみは2500円(税込)。左ききの道具店オンラインショップで購入できる。

日付の位置、開き方など、右利きの人だと気がつかない工夫が盛り込まれており、左利きの人にはとても使いやすそうである。
その他にも、今回から新たに改良された部分があるということで、左ききの道具店・店長の加藤礼さんに話を聞いた。

左利きの店長が「あったらいいな」を実現

ーーどうやってアイデアを思いついた?

もともと、店長の私(左利き)が「週間レフト式」の手帳を使っていました。
スケジュールに紐づくメモを反対側のページに記入しているときに、毎回左手をもちあげて予定や日付を確認していることに気づき「左手で書く人のための手帳があったらいいのに」と思いつきました。


ーー2022でこだわった部分はどこ?

「4月始まり版が欲しい」というご要望をいただいていたのですが、大手メーカーさんのようにたくさんの種類を作ることが難しいため、15ヶ月分収録することで1月始まり派にも4月始まり派にもお使いいただけるようにしました。

1月始まりとして使う場合にも、年度末までの予定が書き込めるので便利だと思います。また、重さや厚さは昨年とほぼ変わらないので使い心地も同じです。

提供:左ききの道具店

ーー前回から改良された部分を教えて

2021年版はアイボリーとネイビーの2色でしたが、カラーバリエーションが3色になりました。今回は、オリジナル版3色+UNDATED1色 です。
そして、日付記入式の「UNDATED」がラインナップに加わりました。

UNDATED(提供:左ききの道具店)

また、15ヶ月分を収録(2022年1月~2023年3月)、巻末にミシン目入りの切り取れるページがつき、方眼を調整しました。
週間ページのメモをドット方眼から実線の方眼にして、できるだけすっきりと控えめにしたかったので線をギリギリまで細く、色も薄めにしています。
また、ページを仕切って使っている方をよく見かけたので、縦横のセンター位置にさりげなく印をつけました。

縦横のセンター位置の印(提供:左ききの道具店)

ーー開発で苦労した点は?

毎年愛用者のみなさまへのアンケートでは、サイズや用紙についてなど本当にたくさんのご要望をいただくのですが、なかなかすべてにお応えしきれないのが心苦しいところです。

左利き用のオリジナル商品を作ろうとメーカーさんへ問い合わせると、やはり生産ロット(生産数)の壁にぶち当たることは多いです。
左利き用だと構造が逆になるため既存の部品を流用できず、作るとしたらとんでもない費用がかかると言われてしまったり。でも、その都度ものづくりの仕組みや流通について勉強になることが多いです。

今年はカバーの色でかなり悩みましたが、蓋を開けてみたら「3色とも良い色なので迷う」というお声をたくさんいただいて「やった!」という気持ちです。

提供:左ききの道具店

購入者「こんなに使いやすいとは驚いた」

ーー左利きだとどういう点が不便と感じる?

・日付が書いている左手に隠れてしまう
・レフト式のメモページを使うとき、手を持ち上げないと予定を確認できない
・左手の親指でパラパラと目当てのページを探す場合は「巻末から」探すことになる

提供:左ききの道具店

ーーどういう人におすすめ?

ややもすると左利き用の道具は「珍しい面白グッズ」のような扱われ方をしてしまう中で、左ききの道具店では「本当に自分が欲しい、家に置きたいと思えるアイテム」という基準で商品の企画やセレクトを行っています。

左利き用というのはもちろんですが、そこだけではなくデザインや使い勝手、品質を気に入ってくださる方に末長くご愛用いただけたら嬉しいです。

UNDATED(提供:左ききの道具店)

ーー購入者から反響はあった?

お客様からはこれまでに「書き間違いが減った気がする」「左利き用の手帳がこんなに使いやすいとは驚いた」「今まで普通の手帳が不便だったんだなと初めて気づいた」「逆開きがこんなにしっくりくると思わなかった」というような声をいただいています。
リピーターさんも多く、「もう一般の手帳に戻れない」とまで言ってくださる方もいらっしゃって大変ありがたいです。

UNDATED(提供:左ききの道具店)

ーー初めて「左ききの手帳」が完成した時、どう思った?

いつか作ってみたいと思っていたものが、予想していたよりもずっと早く形になったので、単純に嬉しかったです。ほぼ代表(夫)と私の2人でやっている会社なので「よかったねー」「がんばってたくさんの人に届けよう」という感じです(笑)

打ち合わせの様子(提供:左ききの道具店)

ーー今後デザインが増える予定などある?

今回、オリジナルカバーは3色展開ですが、11月頃に限定のハードカバーも登場予定です。
左利きの方はきっと思い当たると思うのですが「右利き用はたくさん色があるのに、左利き用は1色だけ」というのが結構あったりします。

左ききの道具店では当店の中ではそれを感じずに「選べる楽しみ」を感じていただきたいと考え、できる限り色や種類のバリエーションを用意したいと思っています。2023年版のラインナップは未定ですが、次も皆さんに楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います。



加藤さんによると、代表である旦那さんは箸のみ左手で、携わっているスタッフなども左利き率が高いそうだ。もちろん右利きの方もいて「絶対左利き!左利きだけを集めた」というポリシーではないが、自然とそうなったそうだ。

左利きの不便さを理解しているからこその手帳であり、今後発売される商品も楽しみである。