「漁具倉庫」や「温泉付き社員寮」…地方の使われない建物が次々とワーケーション施設に【静岡発】
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「漁具倉庫」や「温泉付き社員寮」…地方の使われない建物が次々とワーケーション施設に【静岡発】

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新型コロナウイルスの影響で働き方に変化が出て、地方でリモートワークを始める人や、観光地で仕事をするワーケーションも増えている。
静岡・焼津市も“ある建物”をいかしてワーケーション施設の設置を進めている。その狙いは?

焼津市経済部・大本裕一部長:
国でもテレワーク、ワーケーションを地方創生につなげる動きが出ていて、地方創生テレワーク交付金が作られました。今回は焼津市もそれにエントリーしました

漁業の町として知られる焼津市。地理的にもワーケーションに適していると言う。

焼津港に水揚げされるマグロ 漁業の町の風景だ
この記事の画像(12枚)

焼津市経済部・大本裕一部長:
焼津は静岡から電車で1本で10分くらいで来られるので、東京や愛知の両方からアクセスしやすい。環境に恵まれていると思います

焼津ならでは「漁具倉庫」が生まれ変わる

ここ数年、人口減少が続く焼津市。
働き方の変化を人口増加のきっかけにしようと、いま、ある建物をリモートワークなどができる複合施設にリノベーションしようという取り組みが進められている。その建物とは?

上村駿太記者:
こちらの港の近くにある施設、元々漁師の倉庫として使われていたんですが、ワーケーション施設へと生まれ変わるということです

焼津港に近い焼津市中港にある漁具倉庫

リノベーションが進められているのは「漁具倉庫」だ。漁に使う網やブイを保管する倉庫として長年使われてきた。

焼津市経済部・大本裕一部長:
昭和35年(1960年)に作られているので、もう60年以上にわたって使われてきている施設です

老朽化により雨漏りやひび割れている箇所もあるが、建て替えにより空いた漁具倉庫を有効に活用する。

使われなくなった網なども残されている

この施設の企画運営を任されているのは、下田市に本社を置く「ヴィレッジインク」。
キャンプ場などを主に運営しているが、下田市内でワーケーション施設も運営している。

(Q.もともとなんの建物だったんですか)
ヴィレッジインク・佐藤祐介さん:
もともと造船所の社員寮の跡地だったんです。何十年たって会社も閉じた後、使われない状態で残っていた建物です

下田市にあるワーケーション施設「LivingAnywhere Commons IZU-SHIMODA」は社員寮を改修

使われなくなった社員寮をリノベーションし、宿泊施設やリモートワークスペースが作られている。
きれいに整備されている館内にも、社員寮時代の施設をそのまま残しているところがある。

きれいに改修された館内 個室スペースの他にも共有のワーキングスペースがある

ヴィレッジインク・佐藤祐介さん:
ここの温泉は使いたいと思っていて、何十年も昔の方がここで温泉につかって汗を流していたのを変わらない形のまま、今の新しい働き方をしている方々が使うのは結構ロマンがある

社員寮だった時代、多くの人が汗を流した温泉

歴史を残しつつ、働きやすい環境を作る。
実際に施設を利用している人からも好評を得ている。

利用者(フリーランス):
個室もありながら共有スペースもあって、集中したいときはリモートワークができるような環境があり、外に行くといい風景で、僕は満足していますね

ワーケーションから生まれた「交流」

ただリモートワークができるだけではなく、地域の活性化につながるメリットもある。
施設の目の前にある菓子店「金栄堂」の店主・土屋善昭さんは、この施設の滞在者と一緒に新商品を作っている。

ワーキング施設の目の前にある菓子店「金栄堂」

金栄堂・土屋善昭さん:
クッキーの企画とデザインを中心に、ワーケーション利用者さんに担当して頂いております

施設の利用者と地域の住民の交流から生まれる新たなアイデア。土屋さんは、さらなる地域の活性化や人口増加を期待している。

金栄堂・土屋善昭さん:
ここの利用者2人が結婚して、下田に移住を決めました。そういう形で移住者も出てきて、すごくうれしい次第です

ワーケーション施設利用者との交流をよろこぶ菓子店の土屋さん

地域の盛り上げや人口増加も見込めるワーケーション施設。
焼津市で漁具倉庫をリノベーションして作られる施設は、魚食文化の発信を通じて地域との交流をめざそうと「焼津PORTERS(ぽーたーず)」と名付けられる予定だ。

漁具倉庫を改修した複合施設の完成イメージ図

漁具倉庫の面影は残しつつ、オフィスやワーキングスペース、宿泊施設などが作られる予定だ。

ヴィレッジインク・佐藤祐介さん:
デスクを置いたりして仕事ができる場所とか、中の壁をとってカフェにしたりとか、テナントが入れるようにしたいと思っています。できる限り歴史のあるものを残していきたい。建具もそのまま使いたいと思います

ワークスペースや宿泊施設のほかにも、体を動かすジムやサウナ、それに飲食店のブースもある。
さらに倉庫の前のスペースでは、地域住民と利用者の交流ができるような仕掛けも考えている。

港に隣接する焼津PORTERS 倉庫前のスペースでは地域交流も

ヴィレッジインク・佐藤祐介さん:
例えば目の前で釣りをしていたら、おじさんが来て魚のさばき方を教えてくれるとか、地元の企業と組んで新しい缶詰を作ってみようとか。何かが体験できたり、発信できたり、仕事にできたりというのを大きなポイントをしたいなと思っています

施設は2023年7月のオープンを目指している。
ワーケーションをしながら港で魚食文化を体験し、地域と交流し焼津市を好きになってもらう…そんな交流拠点となるワーケーション施設を目指している。

ヴィレッジインク・佐藤祐介さん:
地元の方々に、もっと焼津が面白いとか水産業漁業ってかっこいい、やりたいと思ってもらうために、本当におとなたちが焼津は面白いというのを発信してもらいたい

下田市と焼津市にワーケーション施設を展開するヴィレッジインク・佐藤祐介さん

新型コロナをきっかけに変化してきた日本人の働き方。
地域の特色を生かしたワーケーション施設をつくることで、地域の活性化はもちろん、静岡県が抱える人口流出の課題解決につながるのかもしれない。

(テレビ静岡)

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