8月11日の降り始めからの雨量は、佐賀県内各地で1年間の降水量の半分にあたる1,000mmを超えた。
土石流が発生した佐賀市大和町で、「車の後ろから土石流に追われてギリギリで助かった」と話す和紙工房を営む男性。
300年の歴史を誇る伝統の和紙が、存続の危機にさらされている。

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家族で土石流から逃れるも…

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
山間部は怖いなと。昔から代々何百年住んでいて、安心感がある。でも安心できない

300年の歴史を誇る「肥前名尾和紙」。
6代目の谷口祐次郎さんは、工房で伝統を守りながら、隣接する家で暮らしている。

佐賀市大和町

大雨が降った8月14日の早朝、近くの川を見に行った谷口さんは異変に気付いた。

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
溶岩が流れているような…ゆっくり流れてきた。もこもこって盛り上がってきて…何かなと思って

それが土石流とわかった瞬間、家にいた家族を車に乗せ、急いで逃げたという。

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
車の後ろから土石流に追われて、ギリギリで助かった

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表

しかし、その2時間後。今度は自宅の裏山が崩れた。
家族は全員避難していたものの、寝室には大きな木と土砂が窓を突き破って入ってきた。

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
どうしようもない。どうしようかという段階は超えている

名尾和紙の工房は無事も…“住み続ける”決断できず

しかし、名尾和紙の工房や商売道具に被害がほとんどなかったのはせめてもの救いだった。

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
道具は、お金を出しても買えるものではない。流されていたら、名尾和紙をやめるしかない覚悟はあった

8月中には作業を再開したいという谷口さん。
ただ、今後もこの場所に住むのか、簡単には決断できないという。

名尾手すき和紙・谷口祐次郎代表:
「土石流」と「山崩れ」と両方なので、そうそう住めない。まだそこまで考えることはできないので、まずは復旧して生活をどうするか考えないと…

(サガテレビ)