韓国
8月18日、いわゆる徴用工を巡る訴訟で、韓国人元労働者の代理人弁護士が、三菱重工が韓国企業から受け取るべき商品代金を韓国の裁判所が差し押えたと発表しました。しかしその翌日、この韓国企業は「三菱重工ではなくその子会社としか取り引きしていない」と発表。韓国の裁判所は誤って子会社の資産を差し押さえた事になり、差押えの有効性に疑問が生じています。
また、今後三菱重工側は即時抗告など不服を申し立てる対応策が採れるため、お金が原告側に渡るとしてもまだ時間がかかるとみられます。日本政府は「日本企業に実害が生じたら対抗措置も辞さない」構えですが、韓国政府は対応策を示さないまま、デッドラインが近づいています。
中国・上海
東シナ海での漁解禁日を迎え、船では祝いの爆竹が鳴らされています。沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海での中国漁船による漁は、毎年この時期解禁されます。2016年には、尖閣諸島付近に大量の中国漁船が押し寄せました。しかしここ数年、中国政府側は尖閣諸島や台湾などを念頭に、敏感な海域に近づかないよう指示し、監視を強化しています。
漁師:「『敏感な海域』に行くと、罰金や懲役刑を受けることもある」
一方、中国当局の船による尖閣諸島周辺への連続侵入日数は、2021年は過去最長となるなど、依然、緊張が続いています。
米国・ワシントン
アメリカ史上最も長く20年間続いたアフガニスタン戦争。かつてアフガンで戦った元兵士は苦しい胸の内を語りました。
元兵士:「戦友の死は何の意味もなかった。その場しのぎでアフガンの問題に蓋をしただけだった」
元兵士はアフガンの人々を巻き込んだ解決が必要だったと指摘、2300人ものアメリカ兵士の命が無駄になったと批判しています。バイデン大統領は首都カブールが数日で制圧されたのは想定外だったと釈明していますが、情勢の見極めの甘さに批判が集中しています。
最新の世論調査ではバイデン大統領の支持率は、前の週から7ポイント急落し、46%と政権発足以来最低に。政権を揺るがす事態となっています。
タイ
アフガニスタンを制圧した謎の武装勢力タリバン。SNS上に意外な姿が次々に投稿される一方、過酷な統治の復活に懸念が広がっています。
こちらは銃を持ったタリバンの戦闘員たちがゴーカートで遊ぶ様子です。メリーゴーランドにまたがる姿もみられ、海外メディアは制圧した都市の遊園地での撮影と伝えています。また、SNS上には、占拠した政権幹部の家でくつろぐ様子や、大統領官邸のジムではしゃぐ様子も見られ、権力掌握を印象づけています。
一方、窃盗事件の容疑者にロケットランチャーを向ける戦闘員とされる映像も撮影されるなど、今後の統治に人々の不安が募っています。
米国・ニューヨーク
ロボットの研究開発を手掛ける「ボストン・ダイナミクス社」のロボットが、あるスポーツに挑戦。それは・・「パルクール」です!軽やかに台を飛ぶ「ATLAS」。2体でシンクロしたバク宙を連続で決め、最後は「余裕さ!」と言わんばかりです。以前のモデルよりも周囲の環境を認識し、それに応じた動きができるよう、細かい設定がされているそうです。
「パルクール」はその訓練に最適なんですが、スゴ技の裏には涙ぐましい努力も。転んでは立ち上がり、限界に挑戦していきます。地元の病院ではコロナ患者の状態を把握するために別部隊のロボットも活躍しています。医療にスポーツに、可能性はまだまだ広がりそうです。
トルコ
軍事見本市で展示されているこちらのトルコ国産、軽装甲機動車。日本の自衛隊が配備する可能性があるんです。50カ国以上が参加した、国際防衛産業フェア。トルコの軽装甲機動車「ヨリュク」について、地元メディアは、「自衛隊の軽装甲機動車の次期候補の一つとなった」と報じています。
トルコの軍事産業の進歩は目ざましく、エルドアン大統領は「特に無人航空機部門では世界有数だ」と胸を張りました。2020年に再燃したナゴルノカラバフ紛争でも、トルコ製の戦闘ドローンがアゼルバイジャンの勝利を後押し、実戦での成果をアピールしました。トルコの軍事産業に今、世界が注目しています。
ロシア
ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が毒殺未遂に遭ってから、ちょうど1年を迎えました。ナワリヌイ氏は今も、あちらのゲートの奥にある施設に収監されています。捜査当局は8月11日、ナワリヌイ氏がインターネットで無許可の違法デモを行うよう扇動したとして、訴追を発表。現在、確定している2年半の禁錮刑の刑期が、さらに延びる可能性があります。
一方で、8月16日にはコロナ対策で禁止されていたデモを行ったとして、自宅軟禁されていたナワリヌイ氏の広報担当者を条件つきで解放。9月の下院選まで1カ月を切り、当局は反体制派の締め付けとガス抜きを繰り返す形で、統制を強めています。
米国・ロサンゼルス
およそ1年半ぶりに学校が本格的に再開し、ようやく元気な子供たちの姿が戻ってきました。カリフォルニア州最大規模のこの学区では、2020年3月から原則オンライン授業が続いていましたが、新学期が始まり、幼稚園から高校まで対面授業が全面的に再開されました。再開にあたっては、子供も教職員も毎週の検査と、屋内でのマスク着用が求められるほか、教職員は10月中旬までにワクチン接種を終えることが義務付けられました。
子供たちは友達に会えると喜び、保護者からは夫婦で仕事に行きやすくなるという切実な声も。ただ、再開前に検査を受けた子どもと教職員のうち3600人以上が陽性だったことが分かり、今後も油断できない状況が続きます。
中国・北京
デルタ株の感染拡大により、空港や駅では移動が制限されていますが、街中では平和な日常がいたるところで見られます。北京の繁華街のひとつ、「三里屯」は平日でも若者を中心に賑わっています。
北京では18歳以上のワクチン接種率が90%を超えていて、マスクを外して歩く人たちの姿も見られました。繁華街の施設や公園などに入る際は、陰性を証明する健康コードの提示が求められます。ワクチン接種証明もありますが、ほぼ使いません。ゼロ・コロナをめざして続く国の徹底的な管理の下、与えられた自由の中で生きるしかないのが中国。ここにいると、自由と権利、国家と国民の関係について考えさせられます。
フランス
世界で初めて実写映画が上映され、歴史ある映画館も多いフランスで、一部の映画館から悲鳴があがっています。フランスでは5月に客数を35%に制限した上で映画館が再開。1カ月あまりでこの制限は解除されましたが、7月中旬からは18歳以上の客に、ワクチン接種証明か新型コロナウイルスの陰性証明の提示が義務づけられました。この措置の影響で、パリ郊外の映画館では客が半減したといいます。
映画館の責任者:「そろそろ約4000万人が2回目の接種を受ける頃ですし、9月には人気映画が公開されるので、客が戻ってくることを願っています」
一方で、「影響は無い」という映画館もあり、地域によって差が出ているようです。
イギリス
イギリスのシンボルの一つ、王冠のマークが付いた赤い電話ボックス。すぐそばにはEV(電気自動車)の充電器もあります。環境対策の目玉としてEV化を推進するイギリスですが、充電ポイントの整備は遅れています。
そこで政府は「ロンドンバスや電話ボックスのように、新たなイギリスのシンボルになってほしい」と充電器のデザイン一新を決定。お披露目はイギリスがホスト国として11月に開催するCOP26(気候変動枠組み条約締約国会議)の直前に予定されていて、早ければ2022年には街中に登場します。電話ボックスのように観光客が充電器の前で写真を撮る日がくるかもしれません。
【取材:FNN海外特派員取材班】