福井県は、若者が地元でも色んなことに挑戦できる事を知ってもらい、福井の面白さを感じてもらおうと、“ワクワクドキドキを発信”し、“若者のチャレンジを応援”する役職を設けた。

30代でその役職に抜てきされた男性職員がいる。
福井県内で高校を卒業し、進学などで地元を離れてしまう若者が多い中、地元の魅力を知り、さまざまな事にチャレンジできる環境づくりを進めようと奮闘する姿を取材した。

県知事の特命「若者のチャレンジを応援」

寺井優介さん(37)は、高浜町で県の広報番組の撮影に臨んでいた。

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県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
こんにちはー!福井県のチャレンジ応援ディレクターの寺井です!

県庁の県民活躍課で、2021年4月から「チャレンジ応援ディレクター」として活動している。チャレンジ応援ディレクターは、県内の“ワクワクドキドキを発信”したり、県内で地域活動を行う若者などを応援したりする役割。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
YouTube、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターにアップするという企画。県内外の人に発信し、多くの人に見てもらいたいと思っている

寺井さんは敦賀市に生まれ、高校卒業後、東京の大学に進学。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
高校の時までは「福井に戻って来ないだろう」と思っていたが、出て行ったら「やっぱり福井って良かったな」とすごく感じた

卒業後は福井にUターンし、県庁に入った。初めて配置されたのは「若狭県民サービス室」。その後「ブランド営業課」など、さまざまな仕事を経験。

県庁職員となって16年目の2021年4月、県が初めて作った「チャレンジ応援ディレクター」として、杉本知事の特命を受けた。

ーー選ばれた時はどうだった?

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
びっくり!びっくりだし、プレッシャーもありましたね

目標は「3カ月で100人に会う」

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
4月1日に就任して、3カ月で100人に会おうと決めた。「今後、福井県とどんなことをしたいか」を聞く中で、「それならこの人と合うかもしれない」と思う人をつないでいる。
“ふくいチャレンジャー”と名付けた人たち同士をつないで、化学変化が起きないかなと思っているところ

ある日、寺井さんが会っていたのは、自身のYouTubeでゲイを公表しているYouTuberの「かずえちゃん」。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
今後どんなことをしたいとか、県と何かしたいとかあれば…

YouTuber・かずえちゃん:
地方で“居場所”、"誰かとつながる"…同じセクシュアリティの人とか。僕も一人しかいないと思っていたので、自分だけじゃないんだと思える居場所があったらいいなと思っている

月に一度、寺井さんは会議を招集する。集まるのは、普段はそれぞれの部署にいる“チャレンジ応援”を兼任する13人。さまざまな課の人間が横に繋がることで、新たな知恵や工夫が生まれることを期待している。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
フェイスブック、インスタグラム、YouTubeも、テスト的にライブ配信を含めてやっていきましょうかね

寺井さんが、これまでに出会ってきた人の考え方や意見を共有し、これからどのように若者を応援していくのか、福井を発信していくのか、みんなで意見を出し合う。

男性職員:
チャレンジャー応援ページの中に、特に共有したい人たちのグループを非公開で作る、というのはどうか

女性職員:
定期的にやれば発信力も上がっていくと思うので、そういうのを何か一つやったら良いのではないか

寺井さんには、この活動を通して実現したい大きな目標がある。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
高校生が県外に出て、そのまま帰って来ない人が多いので、進学で県外に出たとしても、「福井県おもしろいな」とか、「福井県って、いろんな事にチャレンジできるんだ」と知ってもらって、なるべく帰ってきてもらうような環境づくりをしたい

就任から3カ月。寺井さんがこれまでに会って話を聞いてきたのは、当面の目標に掲げた100人を超えた。

県チャレンジ応援ディレクター・寺井優介さん:
多様な生き方がだんだん出てきている。それを福井県の中でもっと受容していく必要があると思っていて、そういう人たちを応援して“チャレンジしやすい福井県”をつくりたい

寺井さんのチャレンジは始まったばかり。

(福井テレビ)

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