厚生労働省の研究班の調査で、モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、2回目の接種後は1回目の接種より、「発熱」や「倦怠感」「頭痛」などの症状が多く見られたことが分かった。

モデルナ製は希釈する必要がなく、さらにファイザーのように超低温冷凍庫も不要なことから、医療スタッフにとって管理がしやすく、負担が少ないため大規模接種に向いているワクチン。

モデルナ製ワクチン
モデルナ製ワクチン
この記事の画像(6枚)

研究班は、このワクチン接種を受けた自衛隊職員のうち、1回目の接種を受けた12,253人と、2回目を受けた3,772人について、接種後の症状を調査し、7月21日に結果を公表した。

「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」によると、37度5分以上の「発熱」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が4.66%、翌々日が2.22%。

2回目の接種の翌日は75.71%、翌々日は22.25%だった。2回目の接種の翌日は、4人に3人が「発熱」していることになる。

モデルナワクチン1回目2回目接種後の発熱(提供:順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センター)
モデルナワクチン1回目2回目接種後の発熱(提供:順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センター)

「倦怠感」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が20.91%、翌々日が14.13%。2回目接種の翌日は84.69%、翌々日が47.55%だった。

「頭痛」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が11.65%、翌々日が8.52%。2回目の接種の翌日は63.77%、翌々日は38.68%だった。

モデルナ製のワクチンでは2回目の接種の翌日は、4人に3人が発熱していることが示されたが、ファイザー製のワクチンでは、どのぐらいの割合の人に「発熱」の症状が見られたのか?

「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」の研究事務局である、順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センターの担当者に話を聞いた。

「女性の方が頻度が高い傾向が見られた」

――モデルナ製ワクチンの調査対象と調査人数は?

自衛隊職員(1回目の接種を受けた12253人、2回目の接種を受けた3772人)です。


――接種後、「発熱」などの症状が見られた人に男女差はあった?

1回目の接種、2回目の接種ともに、女性の方が「AE」の頻度が高い傾向が見られました。

「AE(Adverse Event)」とは、医薬品の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候、症状または疾病のことです。

イメージ
イメージ

ファイザー製は2回目接種後に約3人に1人が発熱

――ファイザー製に関しても、接種後の症状に関する調査を行っている?

調査を行っています。


――調査対象と調査人数は?

医療従事者(1回目の接種を受けた19,806人、2回目の接種を受けた19,658人)です。


――「発熱」「倦怠感」「頭痛」が見られた人の割合は?

37度5分以上の「発熱」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が1.93%、翌々日が0.63%。2回目の接種の翌日は36.27%、翌々日は7.33%でした。

ファイザー製ワクチン1回目2回目接種後の発熱(提供:順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センター)
ファイザー製ワクチン1回目2回目接種後の発熱(提供:順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センター)

「倦怠感」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が16.59%、翌々日が7.73%。2回目接種の翌日は65.45%、翌々日が35.44%でした。

「頭痛」が見られた人の割合は、1回目の接種の翌日が12.49%、翌々日が7.1%。2回目の接種の翌日は47.56%、翌々日は27.14%でした。


――ワクチン接種後に「発熱」「倦怠感」「頭痛」などの症状が出た場合、どのように対処すればよい?

翌日は休暇を取るなどして、ゆっくり過ごしていただきたい。解熱鎮痛薬を服用されるのもよいかと思います。

ファイザー製ワクチン
ファイザー製ワクチン

モデルナ製では2回目の接種後に、多くの人に「発熱」や「倦怠感」「頭痛」などの症状が見られることが分かった。またファイザー製でも、2回目においては接種翌日に約36%の人が発熱したという。これから接種を受ける人は、翌日に休暇を取ったり、解熱鎮痛薬を用意するなどの準備をしておくと良さそうだ。
 

【関連記事】
なぜ接種2回目は副反応が大きい? 「ファイザー」「モデルナ」ワクチンを感染症専門医が解説
副反応は違うが効果は同等 「ファイザー」と「モデルナ」ワクチンの特徴を医師が解説
(【特設ページ】新型コロナウイルスやワクチンの最新情報はこちら

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。