日本、アメリカ、台湾の議員による初の「戦略対話」が29日、開催され、安倍前首相は「香港で起こったことが台湾で起こってはいけない」と述べ、覇権主義的な姿勢を強める中国を強く牽制した。

「日米台戦略対話」は、日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)が主催し、今回初めてオンラインで開催された。当初は昨年行われた台湾の蔡英文総統の就任式に合わせて対面での開催を模索していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け延期されていた。アメリカ側からは、駐日大使を務めたハガティ上院議員らが、台湾からは議会の議長にあたる立法院長らが参加した。

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日本側を代表して挨拶した安倍氏は「21世紀の国際社会における最大のテーマは台頭する中国とどのように向き合うかだ」とした上で「軍事的側面で見ると中国は30年間で軍事費を42倍に増やしてきた。南シナ海や東シナ海で一方的な現状変更の試みが行われている事を、私たちは懸念している」と中国の「軍事的野心」に懸念を示した。

また安倍氏自らが提唱した「自由で開かれたインド太平洋構想」に触れ「国際法を、基本的価値を共有する国々が守っていく」と強調した。その上で安倍氏は、「台湾は極めて重要」として、「日米や多くの国々はウイグルやチベットで起こったことに心を痛めてきた。香港の現状に大きな懸念を持っている。香港で起こっていることが台湾で決して起こってはいけないと固く考えている」と述べ、中国を強く牽制した。

さらに安倍氏は台湾がWHO=世界保健機関へのオブザーバー参加が出来ていないことについて「多くの国々が問題だと共有している」として、「日本にとって大切な友人である台湾に住む2200万人の人々の健康と安全に責任を持つのは台湾政府であり当局だ」と指摘し、「中国に広い心で台湾のオブザーバー参加を受け入れてもらいたい」と求めた。また、日米台の「経済的連携を進めたい」として、アメリカと台湾に対し、TPP=環太平洋経済連携協定への参加を求めた。「日米台戦略対話」は今後、定期的な開催を目指すことにしている。