福岡県内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が加速する中、気になる副反応が確認されている。「モデルナアーム」と呼ばれる腕の腫れ。その実態と対処法を取材した。
福岡市が24時間ワクチン接種対応
7月20日午後10時すぎ。福岡市博多区の福岡市民病院には、市が始めた新型コロナワクチンの「深夜接種」に訪れた人たちの長い列ができた。初日は94人が接種を受けた。
この記事の画像(11枚)深夜接種に訪れた会社員(40代):
昼間、仕事を抜けられない人もいるので、夜打てたら便利ですね
深夜接種に訪れた会社員(60代):
できればこの時間が良かった。助かります
時間は午後10時から翌日午前8時まで。この深夜帯での接種開始によって、福岡市では全国的にも珍しい24時間の接種体制が確保された。
「厚切りハムを腕に付けているよう…」モデルナアームの症状とは
各自治体がワクチン接種を加速させる中、気になる「副反応」が全国で確認されている。
ワクチン接種の10日後に撮影されたこちらの写真。赤くなった二の腕は少し腫れているようにも見える。
今、相次いで報告されているのが、接種から1週間以上が経ってから腕の接種部位が赤くなったり、かゆみが出たりする症状だ。
東京歯科大学市川総合病院・寺嶋毅教授:
接種のおおむね8日くらいから出る、少し遅れて出る発赤(あかみ)か、かゆみなどの症状を「モデルナアーム」といいます。ファイザーのワクチンでも(同じ副反応は)あり得ますけれども、それよりも少し頻度が高かったということ
「モデルナアーム」とも呼ばれる遅発性の副反応。実際、症状が出た人に話を聞くと…
「モデルナアーム」の症状が出た人(50代):
(ワクチンを)接種してから9日目に、蚊に刺されたようなかゆみと赤みがあって。次の日の夜に見てみたら、赤くなって盛り上がって、熱を持った状態になっていて。11日目が最高にかゆかった。気になるって感じでした
「モデルナアーム」の症状が出た人(50代):
耐えられないほどのかゆみというわけでもないですけど、すごく熱も持っているし、モウモウとして固くなっているし。厚切りハムを腕に付けているような感じで、違和感がありました。きょうは、こういう感じで薄く赤いです
「モデルナアーム」の症状としては、かゆみや赤みのほかにも痛みや腫れ、熱などが報告されている。
厚生労働省によると、1回目の接種でモデルナ製のワクチンを使用した人のうち、接種の9日後に3.46%に赤み、2.7%にかゆみの症状が出たという。
一方、ファイザー製のワクチンを打った人でも1%未満の割合で同じような症状が出たという。
現状、重篤なものになったという報告はない
では、モデルナアームの症状が出た場合、どのように対処すればいいのか?
東京歯科大学市川総合病院・寺嶋毅教授:
赤く膨れたところを冷やす、湿疹などに使うかゆみ止めを使うのがいいかと思います。モデルナアームは、報告されているところでは、重篤なものになったという報告はありません。いたずらに恐れることはなく、驚いたり恐れる必要はないと思います
また、1回目の接種でモデルナアームの症状が出た場合、2回目はどうなのか。
東京歯科大学市川総合病院・寺嶋毅教授:
海外の文献では、2回接種して2回目の方が腫れることはなく、同程度かそれより小さかったと記載されている。1回よりは2回。抗体の上がり方は、2回打ってこそ効果が出るという形なので、論文にはこういう反応が出ても、2回目も接種することを勧めるべきではないかと書いてはいる
(テレビ西日本)