学校関係者のコロナへの感染が確認されたことで、夏の高校野球・鳥取県大会の出場を辞退した米子松蔭高校について、鳥取県の高野連は先ほど“大会への復帰を認める”と発表した。

米子松蔭高校がコロナ感染で甲子園大会を辞退

鳥取県大会の第1シードで優勝候補の米子松蔭高校野球部は、7月17日、夏の甲子園大会出場を目指し、初戦に挑むはずだった。
ところが前日の16日深夜、学校関係者1人の感染が判明。

この観戦者と野球部員に接触はない上に、抗原検査を行った部員ら全員の陰性が確認されていたが、大会出場を辞退したのだ。

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鳥取県大会では、学校で感染者が確認され休校となった場合は出場できない規定。
ただし、保健所の調査で安全が確認された場合は出場できるとされていた。

この規定に則り、保健所と協議した学校が出場辞退を最終決定したため、野球部は戦わずして夏の終わりを迎えた。

米子松蔭高校 長﨑成輝校長:
なんとか出場させてやりたいと思ったが、やはり安全が第一なので、こういう経緯に至った。

主将ツイートで一転、県大会出場へ

ところが決定から一夜明けた18日、米子松蔭高校野球部の主将が次のような訴えをTwitterに投稿。

試合もできずに、このまま終わってしまうのは、あまりにも辛いです。何とか出場する道を模索して頂けませんか?

この悲痛なツイートに対し在校生が動いた。

米子松蔭高校 在校生:
私たち学生でインスタやストーリーだったり、このツイッターのスクリーンショットを出して、「どうにか拡散しないかな」というのをみんなでやった。

この在校生によると、野球部に試合をさせてあげたいと願う生徒たちが、野球部主将のツイートを拡散させようとさまざまなSNSに投稿したという。

そんな思いが通じたのか、主将のツイートがネット上で拡散。さまざまな声が上がった。

米子市民(男性):
やっぱり(試合に)出すべきですよ。出さないと申し訳ない。米子で一番強いんだから。

米子市民(女性):
それについて(不戦敗)は仕方がないかな。

米子松蔭高校は18日、大会復帰を求める嘆願書を提出
これを受け、対応を協議していた県の高野連が7月19日午後5時に会見した。

鳥取県高野連会長:
米子松蔭高校の不戦敗を取り消し、7月21日に境高校 対 米子松蔭高校の試合を開催することといたしました。

米子松蔭高校・野球部の主将は大会復帰出場に関して、ツイッターでコメントした。

米子松蔭高校野球部を応援してくださった方々へ
皆さんのおかげで僕たちは大会に出場することが出来ました。感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。多くの方々の声援を胸に感謝の気持ちを忘れずに試合に臨みたいと思います。本当にありがとうございました。

これに先立ち、米子松蔭高校も会見し、「大会への復帰が認められたことについて関係機関そして高野連の配慮に感謝する」とした上で、「頂いた機会を大切に使って試合に臨んでいきたい」と話した。

主将の悲痛なつぶやきから状況が一転した米子松蔭高校野球部。大会でどんな戦いを繰り広げるのか注目だ。

ルールに従うだけでなく、きめ細かい運用を

加藤綾子キャスター:
オリンピックでは、感染対策をとって選手は練習・試合に出るわけですから、どうにか柔軟に対応してもらえないかと…会見が行われる前まではそういった話を柳澤さんとしようと思っていたのですが、一転して再開ということでとてもうれしいですね。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
良かったです。出場辞退を聞いた時に何とかならないかなと思っていた。やっぱり球児の思いが通ったんだと思う。
ただ僕が思うのはルールはルールですけれども、こういう状況の時は杓子定規、ルールの解釈をするのではなくて、きめ細かい運用が求められるのだなということを感じましたね。

加藤綾子キャスター:
もしここでダメになっていたら、オリンピックだけ特別ってそれはどうなんだってね。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
思いっきり皮肉を言えば、オリンピックを見習うべきですよね。例外ばっかりのような感じに見えますからね

加藤綾子キャスター
大人はいいのかとなってきますからね。

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
子供たちにも説得・説明がつかないですからね。

加藤綾子キャスター
選手の皆さんには頑張ってもらいたいと思います。7月21日試合が開催されるということです。

(「イット!」7月19日放送分より)