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市場規模は10年で1.5倍に 大人もハマる「ガチャガチャ」ブーム再燃

硬貨を入れレバーを回すとカプセル入りの玩具が出てくる「ガチャガチャ」が、再びブームとなっている。

子供向けのものだけでなく、大人の女性をターゲットとしたミニチュアの観葉植物や、飲食店に置かれている卓上呼び出しボタンなど、ユニークなものが登場。より魅力的に進化している。

正式には「カプセルトイ」という「ガチャガチャ」は、子供の人気はもちろん、大人の間でも今ブームが再燃している。専門店が続々とオープンし、市場規模はここ10年で1.5倍、約400億円にまで膨らんだ。

ガチャガチャの台は、全国に約60万台あるとされ、その数は郵便ポストの3倍以上といわれている。

カプセルに入っていない「カプセルレス」のガチャガチャが人気

東海地方で最大規模のカプセルトイの専門店「カプセルハウス大須店」(名古屋市中区)には、400台のガチャガチャが並んでいる。最近はカプセルに入っていないものも人気という。

玩具メーカー・バンダイの「かめ02」(1回500円)。頭や手足を甲羅の中に入れることでカプセルが不要に。カプセルレスを実現した。

亀の骨格構造が精密に再現されていて、フィギュアとしてだけでなく子供の自由研究にも生かされると人気だ。

出てきたのは直筆の「妹からの手紙」…様々なアイデア商品

鳴り物系も人気だ。例えば飲食店などのテーブルに置かれている「卓上呼び出しボタンコレクション」(1回300円)。実際に音も鳴り、リアルに再現されている。

「早押し!クイズボタン」(1回300円)などもある。

他にもSNSで話題を呼んでいるのが、「妹からの手紙」(1回200円)。カプセルの中には、かわいらしく折りたたまれた色紙が入っていた。開くとそこには直筆の手紙が…。

「おにいちゃん、ヒナはね。ヒナとの関係をリセットするべきじゃないかと思うんだ。ヒナは今でもおにいちゃんの事…」(カプセルに入っていた直筆の手紙より)

このような手紙が全部で6種類。手紙自体が年配には懐かしく、若い世代には新鮮で人気となっている。

「キン消し」ブームで一気にメジャーに ガチャガチャブームの変容

「日本ガチャガチャ協会」によると、現在はガチャガチャの第4次ブームで、専門店がとても増えているとのこと。

国内に初めてガチャガチャが登場したのは、今から50年以上前の1965年、アメリカからの輸入だった。10円を入れ、ガチャガチャとレバーをひねると、カプセルに入ったおもちゃが出てくる。その斬新な仕組みが子供たちの心を掴んだ。

第1次ブームは1983年。「キン肉マン消しゴム」、いわゆる「キン消し」が爆発的にヒット。ガチャガチャは一気にメジャーになり、価格も10円から100円に上昇した。

1995年には、ウルトラマンのフィギュアがフルカラーで登場し、第2次ブームに。2段式の台も登場し、価格も100円から200円以上に。この頃からガチャガチャは子供だけでなく、大人も熱中するようになった。

そして、2012年に第3次ブームが起きた。「コップのフチ子」が大人の女性を中心にSNSで話題となり、人気は爆発的に全国に拡大。累計2000万個が売れた。そして、現在…。

「日本ガチャガチャ協会」の会長:
コロナの影響で(様々な業態の)店舗が閉まっちゃって…。その空き店舗にガチャガチャの専門店が増え、ここ最近ブームを引っ張っている気がします

機械を置くだけで人員をかけず運営できるガチャガチャの店舗は、コロナの影響で空いてしまったスペースに入居し、どんどん増えているという。

商品そのものが進化し魅力的になったことに加え、専門店が増えたことでより身近になり、第4次ブームへ突入した。

「30~40代主婦・由美子・パート」綿密にターゲット設定した商品開発

ガチャガチャはどのように作られているのか?

訪れたのは、愛知県刈谷市にあるガチャガチャの製造販売を手掛ける「あミューズ」。

行われていた商品の開発会議では、以前大ヒットした「三角ポーチ」の新バージョンについて話し合われていた。ホワイトボードには「30~40代の主婦、由美子、パート」の文字が…。

「あミューズ」の担当者:
商品を新しく作るときは、ターゲットをものすごく細かく設定して作る

年代はもとより、職業や名前まで細かく設定することでターゲットが明確になり、ヒット商品が生まれやすくなるとのこと。例えば、ミニチュアの植物のターゲットは、「広告代理店に勤務する20代女性のミカさん」。実際はどんな人が買っているかは不明だが、シリーズ化されるほど人気だ。

「あミューズ」の担当者:
ぱっと見の楽しさ、かわいさ、面白さがすぐに伝わるようなものじゃないと…。伝わるように努力をしています

こうして誕生した商品は30種類以上。商品化が決まると工場で製造。完成したら、ほこりなどが残っていないか一つ一つ検品作業し、カプセルの中へ。

「あミューズ」では、1商品につき3000~4000個を手作業で詰めている。

「あミューズ」の担当者:
カプセルって色んな形やサイズがあって、機械化しにくい。最終的には人の手を介することが最も効率がよくなってしまう

ガチャガチャも電子決済時代…硬貨でなくQRコード対応の新機種

そして、2021年。そのガチャガチャが、さらなる進化を遂げていた。

硬貨を使わないQRコードに対応した新しいガチャガチャ「PIPITガチャ」だ。試行錯誤の末、2021年ついにリリースされた。このスマホの決済サービスに対応した新機種だが、あえて残した部分もある。

「あミューズ」の担当者:
どんなに高度なシステムになっても、回すところだけはガチャマシーンの楽しいところなので、残していければいいなと

ガチャガチャは「硬貨を入れるのではなくQRをかざして回す」。今後のトレンドになるかもしれない。

(東海テレビ)