熊本市の住宅で、元町議の男性が手足を縛られた変死体で見つかった事件。

亡くなる前日に一緒だった友人が、当時の様子を明かした。旧城南町の元町議・中村尊德さん(74)は5月24日、熊本市南区の自宅で死亡しているのが見つかった。

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死因は窒息死。発見されたとき、手足はひものような物で縛られ、顔には粘着テープが貼られていたことが分かっている。

親戚の男性は、家族が遺体を発見した時の異様な状況をこう話す。

親戚の男性:
(発見時)まだ(体が)温かいので人工呼吸をしようとしたら、体を起こせないので、手を縛っていたテープを切ったと。それで(体を)起こしたら(顔に)粘着テープが貼ってあったと。「鼻までしてあった」と

遺体が発見された中村さんの寝室では、中村さんの財布が見つかっているが、紙幣は入っておらず小銭のみだったという。警察は犯人が紙幣を抜き取った可能性もあるとみている。

また、中村さんの軽トラックは事件発覚後、自宅から約4km離れた路上で鍵がついたままで見つかっている。

優しく気遣いの人がなぜ?深まる謎

中村さんは市町村合併の問題に揺れていたころ、町議を務めていた。当時を知る人は人柄をこう話す。

町議時代を知る人:
いつも気遣いをしてくださいましたね。「お世話になりました」「お疲れさまでした」って…

当時の同僚議員:
おごりもなくて、どちらかというと優しいタイプでしたね。人間がよかったですので、トラブルとかなんとかはあまり聞いたことがなかったですね

一方、親戚の男性は町議を務めていたために、恨みを買った可能性も指摘している。

親戚の男性:
いき過ぎて恨まれるところもあったかもしれないな。人間はどんなところで反感を持たれるかは分からん

事件前日には友人と釣りを楽しんでいた

農業を営んでいた、中村さん。FNNの取材により、事件前日に友人と一緒に釣りに出かけていたことが分かった。本来ならば27日も、釣りを楽しむ予定だったという。

友人:
(出発は)朝8時。夕方4時に帰ってきた。(中村さんは)普段通りだったから…。(一緒に行こうと)今度の27日に船の予約を入れていた

事件解明の手がかりを求め、地元のタクシー会社にも警察官が訪れていた。

タクシー営業所の男性:
警察官が2名ほど来られて、「(事件)当日の日報とか、(中村さんの自宅がある)城南方面にお客さんを乗せて走った車ありませんか」と

警察は殺人事件として、犯人の足取りなど捜査を進めている。

(「イット!」5月27日放送より)