ひっ迫している医療現場…遠く離れた病院に搬送するケースも
札幌市の医療現場がひっ迫している影響で、市内の救急患者の受け入れ先が決まらない問題が深刻化している。
中には帯広市や留萌市など札幌市から遠く離れた病院に搬送するケースも出始めている。
5月20日に394人の新規感染者が確認され、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない札幌市。
札幌市消防局によると、救急搬送の際に、患者の受入れ先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が5月に入り、すでに350件を超える事態となっている。

これに伴い、3月にはわずか1件だった市外への救急搬送が、5月はすでに20件にまで増加している。
札幌の医療態勢がひっ迫するなか、受け入れる側の地方病院は…
余市病院 吉田秀明院長:
当院で引き受けられる感染症患者の上限"ギリギリ"でやっている
深刻化する札幌の医療ひっ迫。
札幌市内の医療機関では受け入れ可能な患者の数に限りがあるため、留萌市や帯広市にまで搬送の範囲が広がっている。

札幌から患者を受けている病院のひとつ、余市町の余市病院では3月下旬ごろから後志地方以外の患者が増え始めた。
余市病院 吉田秀明院長:
90数%が後志以外。後志管外から運ばれてきた人も、地元で十数回断られて、とうとう困って余市にきている

余市病院のコロナ患者専用のベッドは12床で、医師と看護師合わせて20人ほどが治療にあたっている。
余市病院 吉田秀明院長:
ベッドが12、14床用意できてもケアが濃厚に必要な患者がひとりふたり入ってくると、手が取られるので看護師の数が足りなくなってくる
運ばれてくるのは軽症や無症状で療養していた患者でだ、病院で検査をすると…
余市病院 吉田秀明院長:
CT写真を撮った瞬間に、ずいぶん肺全体に広がっている人が多い印象。すでに中等症ですね
軽症の患者でも数日で容体が変化し、病院に運ばれるケースがあるという。なかでも深刻なのが…

余市病院 吉田秀明院長:
重症化する、あるいは治療がうまくいかない人のキーワードとして「ヘビースモーカー」がある。今吸っていなくても若い時に1日40本くらい吸ったという人の病状は非常に厳しい

綱渡りの状況が続く余市病院。吉田院長は…
余市病院 吉田秀明院長:
現場の覚悟、私どもの覚悟として、職員にはあと1か月はこの状況が続くことを覚悟してと言ってます
(北海道文化放送)